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GALAXY STAGE24:40

どこまでも豊かな「祝祭の音」

カウントダウンが終わり、年が明け、電車も動いてるし、ぼちぼち帰る人も……という気配が見えるどころか、おそろしいくらいパンパンに埋まったこの時間のGALAXY STAGEを担当するのは、SPECIAL OTHERS。
最適かも、浮かれてる人もいればくたびれてる人もいる、今のこの時間のこの状況に。踊ってもよし、ぼーっと観てもよし、テンション上げて観てもよし、酔っぱらいながら観てもよし、寝転んで観ても……いや、そんなスペースはまったくないが、そんなふうに聴き手の自由さを許容してくれる、このバンドの奏でる音は。
ちなみにスペアザ、10月にリリースされた最新アルバム『WINDOW』の、年をまたいだリリースツアーの真最中。

宮原 "TOYIN" 良太(Drums)、又吉 "SEGUN" 優也(Bass) 、柳下 "DAYO" 武史(Guitar)、芹澤 "REMI" 優真(Keyboards)の4人がステージに現れると、急に照明がめいっぱい明るくなり、それぞれが楽器を鳴らし始めるとスッと暗くなってそれぞれにスポットが当たる。
4人で会話するように音を出し続け、しばらく経ってそれが曲の形になった瞬間、フロアから大きな歓声が上がる。“Wait for The Sun”だ。後半、コーラスが響くあたりになると、フロアのあちこちから腕が挙がる。
そしてDAYOのギターの爪弾きから2曲目“Good Luck”へ。裏打ちのリズムも、四分音符キープのベースも、ちょっと割れた鍵盤の音もダブのそれなのに、このバンドがやるとダブの定形にはならないところがおもしろいし、魅力的。
次は、『WINDOW』収録曲、“I’LL BE BACK”。曲の後半、リフとコーラスがせめぎ合いながら次第にリズムが激しくなっていくさまに脳を浸していると、どっかあらぬところに意識を持っていかれそうになる。

TOYIN、「ありがとうございます。SPECIAL OTHERSです。新年あけましておめでとうございます。5、4、3、2、1、ハッピーニューイヤー!」と突然勝手にカウントダウンし、「本邦初公開、ダブルカウントダウン!」と言ってウケたもんだからもう一回カウントダウンして「トリプルニューイヤーカウントダウン! 略してTND」(TOYIN)「Dにしたんだ?」(REMI)「あ……TNCD」(TOYIN)「m.c.A・Tみたいだね」(REMI)という会話から、オーディエンスに“Bomb A Head!”を歌わせようとするも知ってる人が少なかったみたいで、「世代が違う!」と脱線しまくり。さっきまでの素敵な余韻を自ら断ち切るようなMCに、みんな大笑い。

今年最初のライヴに自分たちを選んでくれたみんなにお礼を言い、ツアーの東京公演(2月6日、豊洲PIT)の告知をし、最後の曲へ。ギターのイントロに反応し、あっという間にハンドクラップが広がる。スペアザのアンセムのひとつ“Laurentech”で、この幸福な時間は終了した。まだまだ続くスペアザのツアー、年明けは1月14日の弘前Mag-Netから再開。(兵庫慎司)

この4日間のすべてを詰め込んだ別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 各アクトのセットリスト、厳選ライヴ写真を掲載した永久保存版の一冊!

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SPECIAL OTHERS

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