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GRASS STAGE 17:10

全12曲の「嘘みたいな現実」

ギター:浮雲と名越由貴夫のツイン。ベース:鳥越啓介。キーボード:ヒイズミマサユ機。ホーン隊:村田陽一、小池修、西村浩二。アコーディオン:佐藤芳明。そしてドラム:玉田豊夢。以上のメンバーがイントロを奏でる中、日傘をさしてステージに登場、例の横向きポーズで “丸ノ内サディスティック”を歌い始めた瞬間にガツーンとその場を掌握してしまった1週間前のフジロックにて、そのあまりのかっこよさに頭がクラクラしながら、「これ絶対来週メンバー全員名前書こう」と決めたので、まず最初にそうさせていただきました。



というわけで椎名林檎、本日も1曲目で同じように、いやそれ以上の強力さで満員のGRASS STAGEを一瞬にしてつかむ。これだけの人数がいっぺんに、まさに「魅了される」、その場にいるというのは、なんというか、すごい体験。先週観ておいてよかった、今日が初見だったらショックでレポとか書いていられなかったかも、とすら思う。
ただ、安心して観ていられたのはそこまで。2曲目、フジでやらなかった“歌舞伎町の女王”! 音よすぎ! 歌よすぎ! そして“罪と罰”、“迷彩”、“走れゎナンバー”……。殺す気か!と、上島竜兵のように言いたくなったところで “神様、仏様”、しかも向井秀徳が登場。椎名林檎の左にどっしり座ってラップというかマイクパフォーマンスというか、とにかく音源でもやっている例のあれを披露。うわあ。うわあ。



向井秀徳が下がったあとは、“幸先坂”をしっとりと、じっくりと聴かせる。そして「Perfume、観た?」「ベース鳥越啓介、ドラム玉田豊夢、ふたり合わせて『とりたま』です」というMCで場をなごませたと思ったら、次はこれもフジではやらなかった“自由へ道連れ”! バンド、すんげえドライブ感。椎名林檎、手には白いトラメガ。


そしてウッドベースのイントロで“能動的三分間”。サビの浮雲とのツインヴォーカルがめちゃめちゃクる。さらに浮雲、ギターを置いて前に出てきて、ふたりでアイスクリームのコーン(の形のマイク)を持って“長く短い祭”。そしてサングラスを装着して“殺し屋危機一髪”……。あの、野外フェスだよ? 屋内のワンマンじゃないんだよ? なんでこんな緻密かつ豪快な音を出すことが可能なんだろう。こんな「不可能なし」な歌が歌えるんだろう。こんな完璧なパフォーマンスができるんだろう。まるで嘘みたいな、奇跡みたいな全12曲。シメは“カリソメ乙女”でした。椎名林檎、歌いはじめた瞬間に、すぱーんと真っ青なレオタード姿になりました、今週も。かっこよすぎ。(兵庫慎司)


この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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