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BUZZ STAGE 11:25

熱い空気を四者四様に震わせた時間

DJ'TEKINA//SOMETHING a.k.a ゆよゆっぺのDJ(今日のラストと明日の朝イチとラスト、計4回&トータル約6時間のプレイ! の1回目。ラストは自身のEDMチューン “You need fxxkin' anthem in Vietnam(DJ'TEKINA//SOMETHING feat.Yuyoyuppe)”で超アゲて終了)に続く、本日のBUZZ STAGE最初のライヴ・アクトは、女性シンガーソングライター4人が次々に登場するコーナー『BUZZ SPECIAL』。



トップはSaku。トレードマークの水色のムスタングを抱え、背後にJC一発、という時点で、すでにめちゃめちゃ絵になっている。「今日はROCK IN JAPAN初の出演なので、この場に立てることを楽しみにしてました」とあいさつ、“FIGHT LIKE A GIRL”からスタート、続いて“Violent Tiger”へ。「今日はひとりでということなんですけど、みなさんと盛り上がりたいなと思って」と、自身の「光グッズ」を振り回したりして場をなごませたあと、映画『ビリギャル』の劇中歌であり自身のメジャーデビュー曲である“START ME UP”を熱唱。ラストは8月26日にリリースされるEPの表題曲“Girls & Boys”、サビの《Girls & Boys》でフロアのあちこちから腕が挙がる。いずれもドラマチックなメロディとストレートな言葉が強く残る、聴き手にぐっさりと刺さる4曲だった。



続いて井上苑子、昨年末のCOUNTDOWN JAPANの時は高2で今は高3、今回も制服姿でステージに立つ。1曲目“大切な君へ”を歌い出した瞬間、サッと場の空気が変わる。ささやくように歌うのにまっすぐこっちへ飛んでくるようなメロディに、力強いギターストローク。関西弁丸出しのMCの時間は空気が緩むが、歌い出すとまたビッと締まる。“線香花火”“ふたり”と全3曲、オーディエンスをがっちりつかみっぱなしで終了。なお、北九州の4人の女子高生がクリープハイプのライブを観るために東京を目指す映画、松居大悟監督の『私たちのハァハァ』(9月12日公開)、その4人のうちのひとりとして彼女、出演していますが、映画も彼女もとてもよいです。歌うシーンもあり。お勧めです。



3番手は住岡梨奈。手にはアコギ、目の前にちっちゃい鉄琴をセットして、“feel you”でスタート。相変わらず暑い中なのに、歌とギターの効果で体感温度が下がっていく気がするような透明感がBUZZ STAGEに広がる。続いて「カバー曲をやりたいと思います」と歌ったのは、サザンオールスターズ“真夏の果実”! ずるい! よすぎ! と言いたくなるハマりっぷり。あの実は歌うのが難しい名曲を、軽々と自分のものにしている感じ。3曲目は鉄琴のイントロから“ナガレボシ”、そしてキラーチューン“言葉にしたいんだ”でシメ。歌、観るたびによくなっているが、顔つきも観るたびにシャープにキリッとなっていっている気がします、この人。歌っている時は黙ってじいっと聴き入っていて、歌い終わると長い長い拍手、というオーディエンスのリアクションが象徴的だった。



そして4番手、山崎あおい。1曲目から歌詞もメロディーもヘヴィーな “嘘だった”、というチャレンジングな始まり方。フェスの祝祭的な空気に合わないかと思いきや、逆にこれでガッとオーディエンスをつかむ。「アコースティックなので、耳休め、ではないですけど、そういう気持ちで楽しんでもらえればと思います」だそうですが、休まりません、いい意味で。9月16日リリースのミニアルバム『ピンヒールベイビー』の告知をし、「その中の曲です」と“ナインスではじまる恋”へ。頭から最後までもう美メロの塊のような曲。さらにバースデイライヴ(8月28日渋谷クラブクアトロ)の告知をしたあと、“ふたりで歩けば”を歌うと、ハンドクラップが起きる。ラストは“レイコさん”。曲調はアッパー、でも歌詞はシニカルなこの曲のサビに合わせて、あちこちでタオルが回るさまは壮観でした。(兵庫慎司)

この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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