「MATSURI STUDIOからやって来ました、ZAZEN BOYS！」と開口一番、向井秀徳( Vocal,Guitar,Keyboard）が言い放つと、緑豊かなSOUND OF FORESTに不穏なグルーヴが爆発する。"破裂音の朝"で火蓋を切ると、まさに破裂音みたいに強靭な松下敦 （Drums）のドラムが轟き、そこに吉兼聡（Guitar）の攻撃的なギター、さらにブンブンうねりまくる吉田一郎（Bass）のベースが折り重なり、真っ昼間の暑さを切り裂く朝の冷たい空気みたいなサウンドが観客を覚醒させていく。




“泥沼”から始まっていくメドレーでは、激しいギターのカッティングに、切れ味のあるスラップ・ベースも加わり、バンドが奇っ怪なグルーヴ感を一段と高める中、ラップ／ポエトリー調の向井の言霊ヴォーカルも強烈なインパクトを残していく。その熱量たるや半端ではなく、バンドは観客から熱いリアクションを受ける。
「皆様、この暑い中、お集まりいただき、ありがとうございます！」と丁寧に挨拶した後、向井は「私、ぶっ倒れそうになってます。直射日光、上等！」と付け加え、場を和ませる。メンバー4人の緊張感漲る呼吸の合ったアンサンブルにゾクゾクした"MABOROSHI IN MY BLOOD"に続き、向井はズボンのポケットに両手を突っ込んだまま"はあとぶれいく"を堂々と歌い上げる。食い入るようにステージを見つめる観客の姿が印象的だった。




ここで再度ここに集まった人たちに感謝の言葉を投げかけ、”自問自答”をプレイ。観客も体を揺らしながら、曲の世界観にどっぷり浸かっていった。聴き手と1対1で向き合うような凛としたアンサンブルが青い空と緑の森の中に吸い込まれ、無限に広がっていくような感覚を覚える。最後はメンバー紹介で締め。去り際もZAZEN BOYSらしさ満点で、ニヤッとさせられた。（荒金良介）

この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です！ 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。