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SOUND OF FOREST 13:25

キュートに色っぽく、“さくらんぼ”大合唱

まずは、ドラム、ベース、ギターに鍵盤、管楽器(サックス、トランペット)という編成による軽やかなセッションからスタートした大塚愛。まだ本人が登場する前から、ファンが口々に彼女の名前を呼び、歓声を上げて、そして吸い寄せられるように人が集まってみるみるいっぱいになったSOUND OF FOREST。そんな期待感でみっちみちの会場に向けて、歓声に迎えられた大塚愛が1曲目に選んだのは“さくらんぼ”! いきなりの超キラーチューンに、どよめきと歓喜の叫びが混じり合う。ステージを右に左にと練り歩き、観客や会場の空気をじっくりと味わうように歌うと、自ずとシンガロングや合いの手が会場から沸き起こり、中央のほうでは元気にジャンプする観客が立てる土煙がもうもうとあがっている。もちろんお決まりの「せーの」「もういっかい!!」という掛け合いもばっちりだ。さらに続けざまに“CHU-LIP”をプレイ。ヒットチューン連打で、SOUND OF FORESTにキラキラとした笑顔が広がった。何よりもまず、こうして夏の野外にぴったりと合う、ギラッと熱いロックヴァージョンだったり、あるいは軽快で親しみやすいアンサンブルだったりと、自由自在なバンドアレンジで聴かせてくれるのが楽しい。




「はじめまして、大塚愛です。わたし別にロックじゃないけど、楽しそうだから遊びに来たよ」なんて挨拶をした彼女だったけれど、パワフルでキュートなパフォーマンスや、時にユーモラスに、アドリブ満載で観客を掴んで、ぐるぐると振り回していくライヴの腕っぷしの強さは最高だ。
4月にリリースされた7作目のアルバム『LOVE TRiCKY』収録のボッサ風サマーチューン“summer lovely days”で、観客に大きく手を振らせたあとは、“シヤチハタ”。ウッドベースとピアノがムーディでジャジーなイントロを奏でるなか、「暑いね」と吐息のように色っぽくつぶやくと、♪ダバダバダバダバ~と、色っぽくシアトリカルに舌を巻いて歌い、管楽器との妖艶なハーモニーを聴かせる。早口になったり、バンドと息を合わせ即興的に紡いでいくライヴならではの遊びも織り込んでいく。しかし魅せ方はあくまで、あっけらかんとポップでキャッチーだ。
「最後はみんなで大合唱しよう」とラストに持ってきたのは、これもまたみんなが自然と口ずさめるヒットチューン“SMILY”。アップビートで、歯切れのいいアコースティックギターのカッティングではじまり、空の下で浴びるのにぴったりのアレンジが施された“SMILY”に観客は大きく手を振って、♪La La La~のコーラスを高らかに歌う。素敵な笑顔でヒット曲を惜しみなく披露する、太っ腹なライブ。あっという間のステージだった。(吉羽さおり)




この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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