最終日のROCK IN JAPAN FESTIVALが早くも折り返し地点に到達した頃、SOUND OF FORESTに登場したのは、GOOD ON THE REEL。「ロッキン、楽しんでますか？ ここからは僕たちの時間です。一緒に、いまから一緒に、さあ、素晴らしい今日を……始めよう!!」という、千野隆尋（Vo.）の開幕宣言と共に、“素晴らしき今日の始まり”からライヴがスタート。高橋誠（Dr.）と宇佐美友啓（Ba.）のリズム隊が繰り出す躍動感あるビート、岡崎広平（Gt.）と伊丸岡亮太（Gt.）のツインギターが築き上げるエモーショナルなバンドサウンドにのせて、《伝えたいコトがあります／届けたいモノがあります》と、真摯な声で訴えかけてくる千野の歌。それは、胸の奥の大事な部分へと揺さぶりをかけてくるような切実なものだった。
「今年でこのフェスは2回目のステージです。このステージがとても好きなので立てて嬉しいです」と、感謝を伝えた千野。そして、「今日は力をいっぱい受け取って帰ってください。日光には負けないで帰ってください」と、誠実な彼らしい静かな口調で語りかけると、最新作『七曜になれなかった王様』から、“夜にだけ”“エターナル・サンシャイン”の2曲を続けて披露。ハンドマイクで歌う千野は、大きな身振りでステージ上を躍動しながら、声を絞り出すように歌を紡いでいく。




ラスト1曲を残したところで、千野がオーディエンスに語りかけた。「あなたが選んだ今日はまだまだ終わらないので、過去には絶対に戻ることができないから、ロッキンを思いっきり満喫していってください」。そして、ラストナンバー“ハッピーエンド”へと繋ぐ。《私達はいつでも ハッピーエンドを待ってるの》と何度も繰り返すフレーズは、どこか寂しげにも、受け身にも聴こえるが、《どうなるかはわからないけど 私はまだ歩いてみるわ》と、大きく足踏みをしながら歌う千野の姿は、それでも強くハッピーエンドを求める歌なんだと訴えてくる。全ての人にハッピーエンドを。このステージで最後にこの曲を選んだのには、そんな意味があったのかもしれない。（秦理絵）

この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です！ 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。