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WING TENT 12:20

どこまでも深遠な平熱のメロディ

初日2番目のWING TENTに登場したのは、今の東京インディーシーンをおもしろくしているバンドのひとつであるミツメ。マイペースに活動している4人組が、ROCK IN JAPAN FESTIVALに初登場である。川辺素(Vo,Gt)、大竹雅生(Gt,Syn)、須田洋次郎(Dr)、ナカヤーン(Ba)が静かにステージインすると、会場はあたたかな拍手に包まれる。「こんにちは、ミツメというバンドです。よろしくお願いしますー」とサラッと挨拶をした後、1曲目“Disco”へ。そして、5月にリリースされたシングル“めまい”と続けていく。シンプルで伸びやかな音、そして、日常を切り取った歌詞。その音世界は、平熱を帯びているのだけれどとてつもなく深遠。淡々としているがキラキラと眩しい。そして、強くもどこか呑気な川辺の歌声――その二面性に魅了されていく。WING TENTから漏れだすその空気に引き寄せられるように、オーディエンスが次々とフロアへと飛び込んでくる。




“めまい”から、肉感的なグルーヴがたまらなく心地いい“ブルーハワイ” 、そして“cider cider”と、彼らのライヴではおなじみの曲が続き、曲が進むにつれて熱を帯び、ドラマティックになっていく流れるような展開に、フロアからは大きな歓声があがる。このどこまでも続いていくようななめらかな展開が、ミツメの世界にズブズブとハマッていくような快感を生み出している。最高だ。 「どうもありがとうございまーす。みなさん熱中症には気をつけてくださいね。ではミツメでしたー。ありがとうございますー」と最後までどこか呑気な川辺のMCである。ミツメのライヴはMCが少ないが、フェスという初見の人が多いであろう会場でもそのスタンスは変わらない。最後は初期の名曲“クラゲ”。音と戯れる喜びと快感に満ちたステージだった。(岡崎咲子)



この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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