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GRASS STAGE 15:50

5人の匠が体現する「音楽は楽しい!」の極致

早くも折り返し点を過ぎた3日目GRASS STAGE。川西幸一の脳梗塞(ラクナ梗塞)治療のため残念ながら出演キャンセルとなったユニコーンに代わって、新たにアナウンスされたアクトは「ABEDON+OT(fromユニコーン)」。ステージに登場したのは、ABEDON(Vo・G・Key・B)/奥田民生(Vo・B・Dr)/斎藤有太(Key)/八熊慎一(B・G・Dr・Vo)/木内健(G)という、ABEDONのツアーなどでもお馴染みの盟友揃いのラインナップだ。上記の楽器クレジットを見ていただければおわかりの通り、マルチプレイヤー3人を擁するメンバーが曲によってパートを入れ替わり立ち替わりしつつ、珠玉の名曲に遊び心も満載してみせる――という荒技をいとも軽やかに鮮やかに繰り広げ、音楽の楽しさを全身で体現してみせた。



ツーバスのドラムセットがセッティングされたGRASS STAGEで、まずはABEDON:ギター&ヴォーカル/民生:ベース/八熊:ドラム編成でABEDON最新アルバム『ファンキーモンキーダンディー』から“WAKEUP! STANDUP!”を勇壮に響かせ、「ひたちなかあああっ!」というABEDONのコールとともにダイナミックなロック空間を描き出していく。続けて『BLACK AND WHITE』から“サヨナラサムライ”をABEDONが力強く歌い上げたところで、今度は民生:ドラム&ヴォーカル/八熊:ベースにチェンジして民生曲“御免ライダー”を熱唱! ユニコーンでも定番の“風”~“CSA”~“風Ⅱ”の流れでは、“CSA”をディープ・パープル“BURN”との合体アレンジでド派手に轟かせた直後、“風Ⅱ”でABEDONを中心に5人で1台のピアノに集まっての連弾状態(八熊パーカッション)になったり、そのまま5人集合状態でABEDON曲“ときどき雨”を披露……といった具合に、目まぐるしくフォーメーションを変えながら、1曲1曲観る者の心のド真ん中にカラフルなメロディを叩き込んでくる。



ヴォイスチェンジャー越しの甲高い声で「ユニコーンというバンドのドラムがですね、ちょっとアレになっちゃったんで、その曲をやってみようと――」と語るABEDONに続けて、八熊がリズムボックスで鳴らすビート&斎藤のカウベルに乗せて“WAO!”炸裂! さらに「今年はいろいろありましたけども……頑張ります! それでは、いいですか?」という民生の言葉を挟んで、今度はABEDONベース/八熊ドラム編成で“服部”へ突入! ハンドマイクでステージの端から端へと歩き回りながら絶唱する民生に、GRASS STAGEが熱く沸き返ったところへ、立て続けに“大迷惑”が炸裂、広大なフィールドが歓喜に揺れる! ラストは再び最初のフォーマットに戻って、アッパーな多幸感に満ちた“SO SO GOOD”、晴れやかなメロディがタイトなハードロックアンサンブルに極彩色の輝きを与える“ファンキーモンキーダンディー”と、ABEDON曲を連射して大団円。豊潤な才気とプレイアビリティが、真夏の熱気と海風の中で響き合いながら、至上の祝祭空間を生み出していった。(高橋智樹)




この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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