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WING TENT 12:20

極上のアンサンブルが生み出す音楽の桃源郷

ASIAN KUNG-FU GENERATIONの伊地知潔(Dr)を中心に結成されたインストゥルメンタルバンド・PHONO TONES、ROCK IN JAPAN FESTIVAL初登場である。大きな拍手に迎えられるように猪股ヨウスケ(B)、伊地知潔(Dr)、宮下広輔(Pedal Steel)、飯塚純(Key)の4人がステージに登場。「こんにちは! ありがとうございます! 昼から」(伊地知)と簡単に挨拶をすませた後、お互いの音を確かめ合うようにセッションを始め、そのまま1曲目“better days ahead”へ。流麗なピアノの調べとふくよかなペダルスティールの音色が生み出すメロディは徐々に熱量を増していき、それに導かれるようにオーディエンスが次々とWING TENTへと流れこんでくる。「こんにちは! PHONO TONESです。楽しんでいってください!」と、宮下からの挨拶を挟み、チャイナなムード漂うポップでファニーな楽曲“Saturday 少林 Fever”へ。ひとりひとりが楽しそうに身体を揺らしている。MCでは、フロアを埋め尽くしたオーディエンスを眺めつつ、「本当に最高です。集まってくれてありがとうございます! 気に入ったら好き勝手に、自由に楽しんでいってください!」(宮下)、「俺たちのことを見ている必要もないのでね(笑)」(猪股)と笑いを取るなど、バンドの雰囲気もとてもいい。


そして、ライヴは後半戦へ。“tobira”ではメンバー紹介を挟みつつ、徐々に上がっていくテンションに、ステージもフロアも、WING TENTにいる全員が思わず笑顔になってしまうような多幸感に包まれる。表情豊かな伊地知のドラム、雄弁な猪股のベース、メロディを奏でる宮下のペダルスティールと飯塚の鍵盤……ひとりひとりのプレイヤビリティに裏付けされたぶっといサウンドがWING TENTに渦巻き、未知の音楽の発見、そして、音楽を純粋に楽しむというPHONO TONESの音楽の真髄が溢れていた。「初めて観ていただいた方、たくさんいると思うんですけど、僕らはクルーズライヴとか変わったところでライヴをやっているので、ぜひみて観てほしいです! 今日は30分しかできないけど1時間くらい観てほしいです!」と伊地知も名残惜しそうだが、最後は、PHONO TONESの4人だからできることが詰め込まれたような1曲“four”で、この日のステージは幕を閉じたのであった。(岡崎咲子)



この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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