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LAKE STAGE 12:50

何もかもを絞り出す、黄金のロックンロール

この7月にはヨーロッパツアーを繰り広げてきたTHE BAWDIESが、ひたちなかのLAKE STAGEに凱旋だ。ウィルソン・ピケットのSEに乗って姿を見せた黄金のカルテットは、グレーのジャケットにブラックのパンツにタイという装いで手を打ち鳴らし、大歓声を浴びる。そして鋭い音出しとROY(Vo,B)のソウルフルなシャウトが轟き、アルバム『Boys!』のリード曲で、今にも黒煙を巻き上げるように爆走するダンサブルなロックンロール“NO WAY”からパフォーマンスをスタート。いやもう、この序盤からTHE BAWDIESのスマートに鍛え上げられたサウンドが全開である。ビート一発で背筋がビシッとさせられてしまうほどの、MARCY(Dr,Cho)のプレイが凄い。JIM(G,Cho)はステージの楽しさに没入するように低いポジションでギターを搔き毟り、或いはハイジャンプを敢行して、視覚的にもロックンロール/ソウル・ミュージックの素晴らしさを伝えてくれる。




「お久しぶりです、ROCK IN JAPAN!! 3年ぶり、アッアッアッ♪ 俺たちが、THE BAWDIESだっっ!!」と威勢良く名乗りを上げたかと思えば、ROYは「寒い……このマッチを買ってくれませんか……?」と唐突に寸劇を始める。3人の厳しいツッコミを一身に受けながら、結局はライヴでもお馴染みのキラーチューンに繋げるという前フリなわけだが、続いてのファンで温かいロックナンバー、更には味わい深い節回しが冴え渡る“LEMONADE”と、サービス精神にこだわりをトッピングした楽曲群を次々に放ってゆく。4人ともジャケットを脱ぎ捨てたところで、「暑いねえ。“LEMONADE”やってるのに、みんな抹茶すすってるような顔してたからね(笑)。水分とってくださいね!」とオーディエンスを気遣うROY。しかしその直後にはテンポが跳ね上がるメドレーで歌声を攫い、爆音の先で伸びに伸びるROYの歌声には、オーディエンスの嬌声が重なって響くのだった。
あっという間のステージ終盤は、TAXMAN(G,Vo)のファルセットコーラスにも拍車が掛かり、そのまま歌声をがっつりとオーディエンスに預ける“SING YOUR SONG”、そしてROYが「今日は、あれやこれや考えなくていいと思います! 空っぽにするだけです! いいですか!」と告げて“JUST BE COOL”へ。額に髪の毛がへばりつくほど汗でびしょ濡れだから、いつだって渇いていて、飢えている。TAXMANによる恒例の「ワッショーイ!!」コールまで、ひたすらにハングリーなステージであった。(小池宏和)



この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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