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PARK STAGE 17:30

夕陽に染まった5人のハーモニー

日没が近づき、太陽の光が少しずつ和らいできた。吹いてくる風に、周囲の松林の香りを仄かに感じる。そんなこの時間帯のPARK STAGEに集まったたくさんの人々。幅広い層の観客が、スタートを待ちわびている様子であった。

予定時間を迎え、ステージに現れた村上てつや、黒沢薫、酒井雄二、北山陽一、安岡優。全員が、お揃いの青いジャケットを着ているのが目を引く。そしてスタートした1曲目“永遠に - a cappella-”。トラックなどは全く流れず、まさしくアカペラによる生のハーモニー、メロディがドラマチックに響き渡る。真夏の野外にいることを忘れそうなくらい清らかなムードに包まれたオープニングであった。




「みなさんこんにちは。今、この瞬間にこのPARK STAGEを選んでくれたみなさんに感謝します。初めてROCK IN JAPAN FESTIVALに出させて頂くんです。この最高のロックフェスに、どう乗り込むか考えました。今日、楽器はありません。マイク5本だけで勝負です」、リーダーの村上がメンバーを代表して挨拶。この言葉通り、2曲目“ひとり”以降も、ひたすらアカペラで歌声が届けられていった。「知らず知らずの内に我々のハーモニーを耳にしてきたのではないでしょうか」と言い、自己紹介も兼ねて飛び出したCMソング“ウイスキーが、お好きでしょ”。そんなサービスが観客を沸かせた場面を挟んで、美空ひばりのカヴァー“真赤な太陽”へ。躍動感溢れるアレンジが力強いクラップを誘っていた。

観客にコーラスパートを歌ってもらい、5人と共にハーモニーを響かせる部分が途中に盛り込まれていた“こういう曲調好き”。多くの人々にとって、ライヴにコーラスで参加するというのは初体験だったと思うが、この試みは見事に大成功。たくさんの人々と共に生み出されたハーモニーの心地好さは格別であった。そして“いろは”を経て、ラストの曲“星屑の街”。夕方の空に向かって融けて行くハーモニーがロマンチックだ。観客はうっとりと魅了されていた。「お楽しみ頂けましたか? また会いましょう!」、手を振りながらステージを去っていった5人を見送る温かい拍手。たくさんのロックファンに、ゴスペラーズがアカペラの魅力を伝えてくれた。(田中大)




この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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