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LAKE STAGE 15:10

20年の貫禄と、変わらぬ衝動を詰め込んだスカパンク、炸裂!

ステージ横の大型ヴィジョンに「KEMURI」というバンド名が出ると、LAKE STAGEは大歓声に包まれた。特大のKEMURIタオルを掲げる子たちがあちらこちらに見え、手拍子が会場にこだまするなか、津田紀昭(Bass)、平谷庄至(Drums)、コバヤシケン(Sax)、田中‘T’幸彦(Guitar)、そしてサポートメンバーの河村光博(Trumpet)、須賀裕之(Trombone)が観客の声援に応えながらステージへ登場、それぞれが音を出すと、フロントマン・伊藤ふみお(Vocal)が現われ、「踊れー!!」と叫ぶ。1曲目は、“SUNNY SIDE UP!”。ホーンが高らかに太陽を祝福し、みんなで両の手を上に突き上げて踊る、フェスのステージにうってつけの曲だ。ふみおのTシャツの胸には大きく、極太な「平和」の文字があったが(おそらく、自分でテープを貼った文字だろう)、まさにピースフルな雰囲気でライヴはスタートした。
「最っ高」。ふみおのそんな言葉とともに爽快なスカチューン“O-zora”へ。軽快なギターとビートに観客はステップを踏み、ジャンプする。ふみおが指さす空は、雲ひとつない快晴だ。そして「改めましてKEMURIです。最高です、楽しんでる?」と言って、次の曲を紹介する。
「20年前、まだKEMURIというバンド名もなかった頃に作った曲を演奏します。ここにいるすべてのみんなに送りたい。20年、すごく時間が経ったけど、まだこの曲をこうしてライヴでできることがうれしいです」(ふみお)。そして演奏されたのが超高速のビートに踊り狂う、アグレッシヴな“New Generation”だ。観客は自然に、「オー! オー! オー!」とコーラスをきめ、ガッツポーズしながら共に歌う。




「デカい音で音楽ができるのは最高に楽しいし、みんながデカい声で歌っていてすごくうれしい。すごいね、ひたちなか」と。そして「新しい扉、開けて帰ってね」と “Knockin' On The Door” “WIND MILL”と続けていく。超・超・ファストナンバーの連打に、LAKE STAGEのヴォルテージは上がりっぱなしだ。
今年結成20年のアニバーサリー・イヤーを迎えたKEMURI。2007年末に惜しまれながらも解散し、2012年のAIR JAMで復活を遂げてからの勢いは、数年のブランクを感じさせないどころか、日々、最高のライヴを更新し続けている。復活後のリリース音源は、高速かつ攻撃的なナンバー揃いと、どんどんBPMが上がっている。後半は、そんなKEMURIの今を存分に伝え、また古くよりライヴの定番として磨き上げてきた貫禄の曲が並んだ。観客の大きな歌声が会場に響き渡った“Ohichyo”、そして1997年の1stアルバム『Little Playmate』から、“Prayer”へ。会場の大合唱はますます大きくなる。「もうちょっと踊れる? 汗、だらだらかいてる?」(ふみお)、そう言って演奏されたのは、KEMURIの普遍の哲学である“PMA (Positive Mental Attitude) ”、そして“Ato-Ichinen”。イントロのギターのカッティングから歓声が沸き起こり、観客のテンションも最高潮、ふみおが思わず「これはすごいね、ひたちなか魂だね」と笑顔を見せた。アグレッシヴなバンドアンサンブルにのせ、「あと、一年!」コールが満員のLAKE STAGEに轟き、そして一面に笑顔が広がるライヴだった。(吉羽 さおり)



この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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