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GRASS STAGE 11:50

豊穣なライヴアレンジで沸かせる、NICOの真骨頂

JAPAN JAM BEACH 2015では、NICO Touches the Walls×ACO Touches the Wallsとして出演し、アコースティックスタイルと通常のアグレッシヴなスタイルで、二度おいしいステージで魅せたNICO Touches the Walls。サウンドチェックでは「軽くワンコーラスやろうか」という光村龍哉 (Vo.&Gt.)の声で、“バイシクル”をプレイ。集まった観客たちを早くも興奮させた。

「準備はいいか、ひたちなか! 熱いひたちなかのみんなに届けます。“まっすぐなうた”!」と光村がギターをジャカジャカとかき鳴らしながら曲を紹介し、対馬祥太郎 (Dr.)がスピーディなビートを走らせ本編がスタートした。ステージから爽やかな風を起こすように、エネルギッシュなアンサンブルを聴かせる4人。その勢いは、続く“手をたたけ”でさらにパワーを増していく。光村はエレキをアコースティックギターに持ち替え、古村大介 (Gt.)と坂倉心悟 (B.)はギターとベースをドラムに替えての、開放感あふれるセッションだ。アコギとビート、そして歌と、観客のハンドクラップのアンサンブルでできあがった“手をたたけ”は、いつにもまして昂揚感と多幸感たっぷり。途中の全員でのドラムセッションではメンバーからも笑みがこぼれたほどだ。このあとの曲もすべて、野外のステージに似合うアレンジが施され、何倍も濃く、何倍も熱く、そして何倍もキャッチーなバンドサウンドに仕上げられていた。




前半は、光村がアコギをかき鳴らし、痛快なロックンロールナンバー“THE BUNGY”や、またこの季節にぴったりとはまる“夏の大三角形”など、爽快な風を起こす曲が中心に。そして後半は、光村もエレキを抱え、より重厚でパワフルな曲が中心となっていく。アグレッシヴな対馬と坂倉のビートと、光村と古村が向かい合ってのギタープレイで始まった“ニワカ雨ニモ負ケズ”では、間奏で光村がスキャットを繰り出し、古村のギターリフとバトルするようにセッション。観客をぐいぐいと引き込むと、サビで一気に爆発させる。ライヴバンドとしての腕っ節の強さが存分に発揮されたパフォーマンスだ。



「今年もひたちなかに帰ってこられて嬉しいです。去年はGRASS STAGEの一発目をやらせてもらいましたけど、どのステージでもいいから精いっぱいやろうと思ってました。でもまた今日このGRASS STAGEに帰ってこられて、こんなにロックが大好きなみんなのキラキラした目をこのステージから見ることができてほんとに嬉しいです」。そんな光村の言葉から演奏されたのは、9月リリースのシングル“渦と渦”。「この曲を聴いて、毎日頑張ろうとか、ちょっとでも負けたくないと思ってくれたら。そんな気持ちをつめこんだ。目まぐるしく毎日頑張ってる君らを渦と呼ぶ、俺らと君らの歌」(光村)と、観客の心と体を引っ掴んで、熱狂のなかへとぶち込んでいく。そのエネルギッシュで濃いアンサンブルは、まさにNICOの真骨頂。そして「ひたちなかの天と地、ひっくり返してみよう」(光村)と始まった、“天地ガエシ”の天井知らずの狂騒のアンサンブルで、観客はへとへとになるまでジャンプし、声を枯らし歓声を上げ続ける。最高で痛快なライヴだった。(吉羽さおり)


この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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