レポート一覧

BUZZ STAGE 14:05

ヒップホップと快楽の異空間へようこそ

2日目BUZZ STAGE・2組目のライヴアクトは、ROCK IN JAPAN FESTIVAL初出演、水曜日のカンパネラ! コムアイ(主演 / 歌唱)本人がいち早く登場してサウンドチェックからがんがんアゲ倒していたのもあって、テントに入りきらないほどの人が集まる中、改めてキン肉マンのマスクをかぶって登場したコムアイに湧き起こる大歓声! マスクを外しそうで外さない寸止め焦らしプレイから勢いよくマスクを脱ぎ捨て、「やっほー、こんにちは、水曜日のカンパネラです。よろしく!」と『キン肉マン』礼賛ソング(?)“二階堂マリ”へ突入。カラフルな速射砲のようなコムアイのラップが、ヒップホップもエレクトロもまとめて快楽の異次元へと引きずり込むように鮮烈に響き、BUZZ STAGEをあっさりと狂騒真っ只中へと叩き込んでいく。「あっつー! なんじゃこりゃ!」と叫ぶコムアイの表情にも、この瞬間の充実感が滲んでいる。




2010年に観客としてROCK IN JAPAN FESTIVALに遊びにきたというコムアイ。「私はフェスとか行くとしたら、友達いないし、ひとりで頑張って宿とって、ひとりでくる術を探してきただろうなと思って。今日はいろんな人がいると思うけど、ひとりで来た人を応援したい気持ちで来ました!」。アンニュイさと情熱が入り混じったような彼女独特のモードが、ステージとフロアの距離をぐっと縮めていく。和の侘び寂びの代名詞的存在=千利休を《立てろ茶柱!/刀しまって話を聞いてけ》《安土桃山ニュージェネレーション》という鋭利なフロウで極上のポップアート化してみせる“千利休”。誰もが知っている昔話にウィットとユーモアとツッコミを過積載してポップの彼方へぶん投げた“桃太郎”では《キ ヴィ ダーンッ/キヴィキヴィ ダーンッ》の歌声に合わせて満場のオーディエンスの手が左右に大きく揺れる……触れるものすべてに躍動感と浮力を与えるようなコムアイの歌とパフォーマンスが、BUZZ STAGEをがっつり揺らしていく。

本人出演のヤフオクCM曲“ツイッギー”のフルヴァージョンに続けて、「みなさん、温泉は好きですか? 温泉は好きか! 温泉入りたいか!」と呼びかけてコール&レスポンスを巻き起こしていくコムアイ。
コムアイ 「《手の指の皮が》?」
観客 「《ふやけるね》!(全力で)」
コムアイ 「……そんなガッツリ来ない!」
そんな掛け合いの「指導」をしてオーディエンスがどっと沸き返る頃には、BUZZ STAGEはすっかりコムアイ時空に引き込まれている。「来年はもうちょっと大きい枠で出れると思うんで……よかったらこれからも応援してください!」という言葉に強烈なリアリティを与えるには十分すぎる熱狂を、ラストの“ディアブロ”では描き出していった。(高橋智樹)



この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

  • ツイート
  • Facebookでシェア
  • LINEで送る

RO69アーティスト情報

水曜日のカンパネラ
クイックレポート更新情報もツイート中!