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WING TENT 13:30

蒼く咲いた情熱の花

音楽サイトRO69のアマチュア・アーティスト・コンテスト「RO69JACK」に優勝、COUNTDOWN JAPANに出演したのが2013年の暮れ。以降、2014年6月には初の全国流通盤『PORTAL HEART』(ミニアルバム)をリリース、同年のROCK IN JAPAN FESTIVALとCOUNTDOWN JAPANには通常枠で出演――と、ハイペースで階段を駆け上がってきたLAMP IN TERREN、今年もWING TENTに登場。
1曲目は“林檎の理”でスタート、続いて“ボイド”“メイ”“緑閃光”と、この一瞬一瞬を、一秒一秒を惜しむかのように、MCもはさまず次々と演奏していく。己の中に渦巻くあらゆる感情を「吐き出す」のではなく、「撒き散らす」のでもなく、ぐーっと固めて固めてものすごい密度にした末にまっすぐ撃ち放つような、松本 大(Vocal & Guitar)の歌の力、すさまじい。というか、声、めちゃめちゃいい。どこまでも飛び、どこまでも届き、ひとことひとことが耳にぐっさり傷跡を残していく。あと、私個人のセオリーで「やたらモニターに足をかけたがるのはいいベーシスト」「左腕を必要以上に振り上げてスネアを叩くのはいいドラマー」というのがあるのですが、どちらも見事にそれにあてはまる中原 健仁(Bass)と川口 大喜(Drums)の、感情を爆発させることを最優先したプレイも、とてもいい。




松本の「ありがとう! あと1曲聴いていけよ」との言葉に続き、オーディエンスに感謝の意を伝え、「熱中症だけには気をつけてください」と気遣い、「ここにいるみんなで、見えない、わかんない未来に踏み込みたいと思うんですけど、行けますかひたちなか!」とあおり、ラストチューン“ワンダーランド”に突入。《何もかも変わってしまう前に 今 未来を知らない声で/届けたい唄を渡すよ それが世界を変えてしまうように》というラインを持つ、なぜ音楽をやるのか、なぜ歌うのか、なぜ何かを発信するのか――つまりLAMP IN TERRENの存在理由を封じ込めたような、このバンドのキラーチューン。腕を振り上げてそれに応えるオーディエンスの数が、どんどん増えていった。
なお、歌い終え、ステージを去り際に松本は、「ありがとう、行ってらっしゃい!」と叫んだ。フェスってものをわかってるなあ、オーディエンスの感覚も持ったまんまなんだなあ、と、ちょっと感心しました。(兵庫慎司)



この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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