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PARK STAGE 11:40

ポジティヴィティ溢れる、きのこ帝国最新モード

「こんにちは、きのこ帝国です」と佐藤千亜妃(Vocal, Guitar)がひとこと挨拶すると、最新シングル『桜が咲く前に』のカップリング曲“Donut”を鳴らし始めた。ROCK IN JAPAN FESTIVALには2年連続出場となるきのこ帝国。昨年に比べて、佐藤の歌声は本当に芯が強くなったし、確固たる意志を感じる。そしてロングヘアーを振り乱しながら楽器をかき鳴らすあーちゃん(Guitar)の全力プレイに、谷口滋昭(Bass)、西村”コン”(Drum)も加勢。聴き手の毛穴を根こそぎ開かせるような、聴き手を覚醒させるような音の大洪水が痺れる。ああ、最高だ。




「クロノスタシスって知ってる?」。佐藤からの問いかけに、次の曲を察したオーディエンスからは歓声が。佐藤、フフッと笑みをこぼして“クロノスタシス”へ。快晴の空の下を泳ぐ甘美なアンサンブルに、オーディエンスも身体をゆらゆら揺らしながらその世界に浸っている。“海と花束”終了後、「弦が切れちゃったのでちょっと待っててくださいね。今日すごく楽しいです。みんな楽しそうでよかったです。ありがとう」と佐藤。ギターの復活を待つ間、「普段はMCとかやらないけど……」と前置きをしながらも「みんななんかおいしいもの食べました? まだ? マジで? きのこ帝国が演るには早い時間だもんね(笑)。でもこういうのも楽しいです」とオーディエンスと温かなコミュニケーションをとっていた。佐藤があーちゃんに借りたという彼女と色違いの真っ白なギターに持ち替えて(この1曲のみでした。レア!)、「4月に出した新譜やります」と“桜が咲く前に”。さらにその10年後を描いた“東京”を続けて披露。出会いと別れが交錯する東京という街で生きていく主人公の物語が、4人のサウンドのなかで密かな、しかし確かな輝きを帯び、ドキュメンタリーのように迫ってくる。ラストは疾走感が気持ちいい“Telepathy/Overdrive”で終了。決して派手ではないが、今のバンドのモードを象徴するようなポジティヴィティに溢れたライヴだった。(蜂須賀ちなみ)



この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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