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BUZZ STAGE 11:20

歌に込めた笑顔と祈り――4人それぞれの本質が響く!

DJ和によるプレイで朝イチから盛り上がった、3日目のBUZZ STAGE。ライヴアクト一発目は、女性シンガーソングライター4人が次々と弾き語りで登場するBUZZ SPECIALだ。



トップバッターは埼玉県出身の19歳、新山詩織。涼しげな衣装で登場すると、今朝の爽やかな風に似合うアコギの音色を響かせながら、1曲目の“Hello”を歌い始める。ひとつひとつの言葉に思いを込めて丁寧に伝えていく姿が印象的。「おはようございます。意外と涼しいですね」と笑顔を見せる。続く“気まぐれ”と“絶対”の流れでも、自分の気持ちから逃げずに真っ直ぐ向き合って紡いだ歌を、やっぱり真っ直ぐに堂々と突きつける様に、オーディエンスも引き込まれていく。伸びやかな歌声を会場の奥の奥まで届けきったラストの“ゆれるユレル”まで、真摯なコミュニケーションが好感度大なステージだった。



続く見田村千晴は“悲しくなることばかりだ”からクリアな歌声で、人間の弱さや醜さも軽快に歌い上げ、会場の空気を一変させた。ブリーチされたボブにラフなジーンズとピンヒールで歌う、大人の女性による全然エレガントじゃない日常の憤り。このアンバランスな佇まいが何ともカッコイイ。そして「こういう場所に来るとバンドマンって羨ましいなって痛感します」と “バンドマンずるい”を披露。首筋に汗を光らせながら熱唱したラストの“わたくしどもが夢の跡”までしっかりと観る者の心に爪痕を残した。



3番手となる植田真梨恵は飛び跳ねるように軽やかにオンステージ。1曲目の“彼に守ってほしい10のこと”の冒頭からオーディエンスはハンドクラップで歓迎し、鋭くもキュートな歌声が迫力満点。曲名から受ける印象は「彼氏へのお願い♡」的なテーマなのに、実際はふたりが一緒にいるための「覚悟」を提示するものになってしまうのが彼女の表現の凄味。しっとりとシリアスに聴かせた“ダラダラ”では夏の恋の切なさが爆発するような濃厚な感情を、高い集中力で放つ。最後は “変革の気、蜂蜜の夕陽”で、強い祈りを感じさせる全身全霊の歌声がBUZZ STAGE中に響き渡った。



本日のBUZZ SPECIAL、最後に登場したのは北海道出身、メジャーデビューから3年目となるRihwa。白いワンピース姿で「みなさんこんにちは!」と挨拶し、歓声が起こると「ありがとうございます、うふふふふふ」と笑い声も可愛らしい幕開け。1曲目の“Last Love”から切ないメロディを華やかな歌声で丁寧に届けていく。「みんなとゆったりとした時間を過ごしたいなと思って来たので、リラックスして楽しんでいきましょう」と続く“TO: Summer”へ。爽やかで甘く切ないメロディが、心地好い時間を生み出していく。最後の“春風”で、透明感溢れる歌声が優しい気持ちを乗せて運んでいくようなひとときは本当にリラックス効果抜群で、オーディエンスもうっとり聴いていた。最後はRihwaがみんなの笑顔を生み出しながら締めくくったBUZZ SPECIAL。弾き語りだからこそむき出しになる個性を、それぞれ美しく響かせてくれた。(上野三樹)

この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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