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SOUND OF FOREST 16:55

驚異の、そして脅威のソウル・ミュージック、森に響く

今年5月に出たニューアルバム『Obscure Ride』が、「よい」とかを超えて「とんでもねえ」作品だったので、そして2週間前にフジロックのホワイトステージで観た時もおそろしくすばらしかったので、今日も楽しみにしていました。cero、ROCK IN JAPAN FESTIVAL初出演。陽がかげり始めたSOUND OF FORESTのステージにメンバー3名+サポート4名が現れ、己の音とマインドを確かめるようにしばし全員で音を奏でたのち、軽快なのにどっしりとした四つ打ちのキックが響き始め、“船上パーティー”でライヴがスタート。で、2曲目、『Obscure Ride』収録のキラーチューン“Summer Soul”! ええっもう!? 早過ぎる! 心の準備ができてない! と、どこまでも高く高くのびていく高城晶平(vocal / guitar / flute)の声を浴びながらアタフタする。でも最高、いきなり。あと、結果的にはそれでも平気でした、これ以降も名曲だらけだったので。




高城晶平、「ROCK IN JAPAN FES.2015、今日この時間にこのステージにお集まりのみなさんは、熱いものよりも涼しいものの方が好きなんじゃないか、と僕は勝手に思っています。そうでしょうよ! 違うか!?」などと言いながら、「熱苦しくない、涼しめの曲を」と“DRIFTIN'”へ。というように、『Obscure Ride』の曲を中心に進んでいく。そして確かに熱苦しくはないが、もちろん、ただ涼しいだけじゃない。「なんなんだおまえらは、そんな普通の人みたいな顔してるのに」と胸ぐらつかんで問い質したくなるようなものすごいクオリティ、ものすごいグルーヴの音が鳴っている。ただし、「圧倒」とか「圧巻」みたいなグルーヴじゃなくて、淡々としつつもすごい、「じゃああなたやってみなさい」って言われたら絶対できないグルーヴ、みたいなやつ。そして、その音の上をすいすいと泳ぐように歌い、フルートを吹く高城晶平。なんだこれ。ちょっと嘘みたいなレベル。いったいそもそも何からして違うんだろう。考えていることだろうか。見ている風景だろうか。音楽というものに対する向き合い方そのものだろうか。たぶん、全部。



こんなソウル・ミュージック(だと僕は思う)が、今、この国の人によって鳴らされている、奏でられている、歌われている、描かれていること自体がほとんど奇跡。と、ラストの“Yellow Magus”に身も心ももっていかれながら、思いました。(兵庫慎司)

この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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