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SOUND OF FOREST 15:45

最高で最強の「つまんねえよ」大合唱

藤森元生(Vocal/Guitar)がサウンドチェックでKANA-BOONの“ないものねだり”を弾きだし、木村浩大(Drums)に「全然できてないじゃん」とつっこまれながらも、「次、僕らの曲サウンドチェックするので、同じくらい盛り上がってもらっていいですか!」と、はじまる前からSOUND OF FORESTを笑顔にしていたSAKANAMON。本番では、サウンドのパワーもさることながら、感情のヴォリュームもマックス! “幼気な少女”からSAKANAMON節炸裂、アグレッシヴなアンサンブルとフレンドリーでひねりのきいた歌を飛ばしていった。そして「JAPAN、踊ろうぜ」という森野光晴(Bass)の叫びから、“アリカナシカ”で、ガンガンと観客を踊らせる。ぐるぐると自問自答するような歌と、開放的な四つ打ちビートがアンビバレントなこの曲。森野のスラップベースから、後半はどんどんとビートがファットになって、重厚なサウンドが森を揺さぶっていくのが気持ちいい。3人のアンサンブルは、とにかく馬力たっぷりだ。




「改めましてSAKANAMONです。次はいちばん新しいアルバム『あくたもくた』から、1曲。この曲は、自由に楽しんでほしい。――まあ、うちのヴォーカルがいちばん自由なんで、この人に負けないくらいで」と森野がしゃべる横で、暗黒舞踏ばりにヘンテコなダンスを繰り広げる藤森。さすがに彼のダンスを超えるのは難しいが、“ぱらぱらり”では、観客が一斉にジャンプをし、また思い思いに体を揺らす。爆裂なダンスチューンが流れる何やら楽しく自由な空間に、観客が次々と集まり、SOUND OF FORESTは人でいっぱいだ。
「あらららら、こんなに集まっちゃって。ありがとうございます」という藤森のとぼけた感想から、はじめて観る人も多いだろうとここで自己紹介。「ベース、SAKANAMON界のバカリズムこと森野光晴くん」、「ドラムス、SAKANAMON界の顔面福笑いこと、木村浩大くん」と藤森がふたりを紹介すると、木村が「JAPAN、アゲー!」と絶叫。そして森野が「ヴォーカル・ギター、SAKANAMON界のエスパー伊東こと、藤森元生」と紹介した。



後半は、藤森の熱いヴォーカルが森を抉るように抜けていく“マジックアワー”と、くすぶった恋心を炸裂させるラブソング“君のOOをXXしたい”を全力投球し、観客の心をきゅんと打ち抜いていった。「はい、みなさん。ここでつまんねえよ、つまんねえよいうコーナーです」という藤森の曲紹介で、本日のラストチューンに選ばれたのは“TSUMANNE”。「みなさん、どうですか。日頃の人生つまんないですよね? 楽しい人生なんて偽物なんです。だからこうやってフェスに集まるし、発散しにきてるじゃないですか。その日頃のつまんなさを、3人にぶつけてほしいんですよ。あるでしょ、例えばバイトの年下の先輩がとか、会社の年下の上司がとか――」という藤森の煽りとともに、SOUND OF FORESTは「つまんねえよ」の大合唱に。日頃のうっぷんを晴らしつつ、思い切り叫べば叫ぶほど会場は笑顔で包まれる。うっすらと日焼けした顔で、高らかにガッツポーズし、拍手を送る観客の満面の笑みが、SAKANAMONのライヴのすべてを物語っていた。(吉羽さおり)


この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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