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PARK STAGE 18:40

待望の初登場、出会えた喜びを分かち合う至福のステージ

2日目のPARK STAGEを締めくくるのは米津玄師。この夏初めて各地のフェスに登場する米津は、もちろんこのROCK IN JAPAN FESTIVALにも初出演。サウンドチェックの時点で上がる歓声からもオーディエンスの期待度の高さが伺える。そして本編。中島宏(Gt)、須藤優(Ba)、堀正輝(Dr)といういつものサポートメンバーとともに姿を見せた米津は全身真っ白な衣装。“ゴーゴー幽霊船”が始まるとすぐにハンドクラップをするオーディエンスの勢いに負けず、「ワン、ツー、スリー!」といういつになく力強いカウントにも、エッジの効いた演奏にも気合いが漲りまくっている。「どうもはじめまして、米津玄師です。今日はよろしくお願いします」。口早に挨拶すると、次の曲ではエレキギターを置いてハンドマイクに。身を屈める形でシャウトしたり、大きく手を広げながら歌ったり、ステージ上をゆらゆらと歩き回ったり、自由自在な振る舞いだ。聴き手の好奇心を刺激するような、絶妙に歪なバランスのアンサンブルも冴えわたっている。




「あっっっつくない!? 暑いよね。たぶん君らより俺らのほうが100倍暑いから」。演奏中はどこかミステリアスな魅力を放つ米津だが、MCではタオルで顔をゴシゴシ拭きながら飾らない言葉で話す。「フェスに初めて出させていただいて、こんなにいい時間帯、いいステージでやらせていただけるのは光栄なことです。ありがとうございます」と丁寧に感謝を述べたあとは、来年1月にツアーを行うことを発表。このサプライズにあちこちから喜びの声が聞こえてきたのだった。さて、日が完全に落ちてヴィヴィッドな照明が映える時間帯に突入すると、ボカロP・ハチ名義の曲“マトリョシカ”を投下し、会場のテンションは最高潮へ。そして、人の出会いと別れの尊さを描くバラード“アイネクライネ”で空気は一変。声を思い切り張りながらまっすぐに歌い上げる米津と、渾身の想いを込めるバンドの演奏にオーディエンスはじっくりと聴き入る。まるで聴き手に手渡しするみたいに、大切なことを丁寧に鳴らす米津の姿勢は、大人数のオーディエンスを目の前にしても変わらなかった。

「次の曲で最後なんだけど……9月に新しいシングルが出るんですけど、それをやります。本当に楽しかったです。またどこかで会いましょう」と、ラストは“アンビリーバーズ”。ギタリストとベーシストがシンセサイザーでの演奏にシフトし、浮遊感のあるサウンドを生みだす。その上で大きく翼を広げるように、米津の歌は雄大で力強い。この曲を聴いてまた、彼が今後生み出していく音楽が楽しみになったのは言うまでもない。(蜂須賀ちなみ)




この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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