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PARK STAGE 18:40

夕闇と深く溶け合う麗しのギターロック

ついに各ステージに最後の出演者が登場する時間帯に突入したROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015。PARK STAGEのトリを飾るのはPlastic Treeだ。SEが鳴り、ステージ上を赤い照明が行き交うなか、メンバーが登場。有村竜太朗(Vo)が両手を合わせオーディエンスへお辞儀をするとフィールドからは歓声が沸き起こった。1曲目は“Thirteenth Friday”。リヴァーヴのかかった有村の声が幻想的で、まるで深海の底に誘うような、深くも豊かなバンドの響きで会場を包んでいく。疾走感溢れる“メランコリック”ではオーディエンスも拳を振り上げヘドバンして応戦。衝動そのままに叫んだ長谷川正(Ba)の「イェーイ!」という声も爽快に響き渡った。




「やあやあ。Plastic Treeで~す。楽しんでますか~?」とリラックスした雰囲気でMCを始めたかと思いきや、「ひたちなかぁぁあああ!!」と突如叫ぶ有村。そのあと、「昨日はライヴを観てたんですけど、ここはホント楽しいですね。こんなに人が来てくれるなんて感謝感激雨あられです。大好きです。なので、大好きになってください」と彼らしい挨拶を付け加えていく。この頃には完全に辺りが暗闇に包まれている時間帯。ヴィヴィッドな照明が輝くなか、渾身のプレイとともに佐藤ケンケン(Dr)は「ウオーッ!」と雄叫びを上げ、照明がシルエットのみを浮かび上がらせるなか、ナカヤマアキラ(Gt)は自らのギターの音をサイレンのように唸らせる。メンバーの一挙一動が絵になってしまうこの華やかさには、観ているだけでため息が出てしまう。

終盤、「踊ろうかロッキン!」と“マイム”では有村がハンドマイクにチェンジ。上着の裾をはためかせながらステージ上をひらひらと歩き回る。全体的に縦ノリだが大きく渦を巻くグルーヴが横たわるバンドのサウンドには、人間の欲望を奥底からくすぐるような不敵な妖しさに満ちている。リズムに合わせてジャンプするオーディエンスに対して、有村は「ヤバい。アツい。楽しい。楽しいです!」とその高揚感をストレートに表した。そして「メイクも汗で溶けそうなので、魔法が消えるので(笑)。本当にありがとうございました。最後の曲です」と“リプレイ”で静と動のコントラストをドラマティックに魅せて終了。「すべてのみなさんに拍手を。本当にいい時間をありがとうございました」という有村の言葉は、集まったオーディエンスにとって最高の夏の締め括りとなったことだろう。アンコールはなかったが、彼らの再登場を求める声は終演後もなかなか鳴り止むことがなかった。(蜂須賀ちなみ)



この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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