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GRASS STAGE 10:30

変幻自在のフォーメーションで鳴らす10周年の強さ!

総合プロデューサー・渋谷陽一による「最高のフェス日和だと思います!」という挨拶通り、会場は陽射しはあるものの時折風が爽やかに吹く、絶好のお天気に恵まれた。そんな4日目・最終日のGRASS STAGE、トップを飾ってくれるのはチャットモンチー! 昨年のROCK IN JAPAN FESTIVALでは「We Are Back!!」と書かれたフラッグを掲げながら約1年半ぶりとなる復帰ステージを見せてくれた彼女たちが、今年はデビュー10周年を迎え、11月には7年ぶりの日本武道館公演を控えた実りあるシーズンの真っ只中で登場してくれる。



白いトップスで合わせた衣装で、福岡晃子(Ba./Cho.)がドラムセットに、橋本絵莉子(Vo./Gt.)が「眩しい~」とつぶやきながらギターを抱えてスタンバイ。2人体制によるミニマムながらどっしりとしたグルーヴ感のあるサウンドで演奏されたのは奥田民生のカバーで“息子”。なかなかレアな幕開けにオーディエンスも一気に沸き立ち、《ワイセツや ぼろもうけの罠や》なんて歌詞を橋本の清涼感溢れる歌声で叫ばれると切なく胸に迫るものがあったが、そうだ彼女も息子の母親なのだよなあと後になって思った。



そこからは福岡がベースを持ち、恒岡章(Dr.・Cho./Hi-STANDARD、CUBISMO GRAFICO FIVE)と下村亮介(Key.・Cho./the chef cooks me)が加わっての「男陣」編成における演奏と、北野愛子(Dr.・Cho./DQS、nelca、ex. your gold, my pink)と世武裕子(Key.・Cho.)を加えた「乙女団」編成の演奏を織り交ぜながら、ライヴを進めていく。ちょっと懐かしい曲を夏っぽいアレンジを加えて披露したり、かと思えばアグレッシヴに攻めたり、スロウナンバーでシリアスな表現力を響かせたり、ステージのふたりが踊るようなステップで演奏していたりと、1曲1曲、本当に見どころが盛りだくさん。変幻自在のフォーメーションで魅了する今のチャットモンチーがここにいた。



圧巻だったのが、背後にツインドラム、両脇に鍵盤、フロントに福岡と橋本、という6人編成で鳴らされた最強の“シャングリラ”! GRASS STAGEのフィールドいっぱいに振り上げられた手が揺れて最高の景色を生み出した。そして最後に鮮やかなメロディの中に今のチャットモンチーの、健やかな闘志を込めて歌われた“きみがその気なら”が、誇らしい輝きを高らかに放ちながら披露された。過去も新しい力で塗り替え、形を変えながらも、彼女たちの音楽に対する確かな想いと変わらない強さを感じさせてもらった、まさに10周年にふさわしいステージだった。(上野三樹)

この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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