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GRASS STAGE 14:30

「9」回目の激震が描く、凄絶なるロックの極致

最終日も折り返し点に差し掛かったGRASS STAGEを怒濤のロックフィールドに塗り替えたのは、7年連続GRASS STAGE出演、ROCK IN JAPAN FESTIVAL出演は今回で「9」年連続となる9mm Parabellum Bullet! 「9mm Parabellum Bulletです! イェーイ! ROCK IN JAPAN!」のコールから雪崩れ込んだ“Answer And Answer”での菅原卓郎(Vocal and Guitar)の絶唱が数万人のオーディエンスを狂騒の彼方へと導き、“Cold Edge”のかみじょうちひろ(Drums)&中村和彦(Bass)の爆裂ビートが大地を震わせる! さらに、スカとラテンとロックンロールがとぐろを巻きながら爆走するキラーアンセム“ハートに火をつけて”の滝 善充(Guitar)のギターフレーズが熱狂の異次元へと引きずり込み、「灰にならないかひたちなか!!」の卓郎の絶叫が圧巻の大歓声を呼び起こしていく。メタル/パンク/エモ/ロックンロールといったジャンルの枠組みもシーンの境界線も踏み越え、アウェイもホームも関係なく一撃必躍の激烈ロックを轟かせてきた9mmの音楽が、この広大な空間すら「9mmの場所」に塗り替えるような訴求力と爆発力をもって響いていく。1stフルアルバムのタイトルチューン“Termination”に巻き起こる、一面のOiコールと《観覧車越しに見上げた太陽》の一大シンガロング! 最高の瞬間だ。




「新曲をやろうと思うんだけど、ついてこれるかな?」という卓郎の煽りに続けて、4人がそれぞれ作曲を手掛けたクアトロA-Sideシングル『反逆のマーチ/ダークホース/誰も知らない/Mad Pierrot』(9月9日リリース)から、和彦作曲“ダークホース”&滝作曲“反逆のマーチ”を立て続けにドロップしていく9mm。ソリッド&エモーショナルな突破力に満ちた“ダークホース”。ラテン的な情熱的ビートと極彩色ギターフレーズがせめぎ合う“反逆のマーチ”。ロックの新次元を次々と切り開いてきた9mmが、さらなる音楽冒険心を剥き出しにした新曲群が、早くもGRASS STAGE震撼レベルの衝撃と熱量をもって、満場のオーディエンスの歓喜とでっかく響き合っていく。




「このヴィジョンの下にも『Love Peace & Free.』って書いてあるけど、素晴らしいロックフェスティバルは、戦争とは真逆のことなんだ、って俺の好きなミュージシャンも言ってた」。“The World”の壮大な音世界を展開した後で、卓郎が真っ直ぐに語る。「戦争してるヒマはないんだよね。ここにいるみんなもさ、自分たちの闘いがあるわけじゃん? 嫌なことがあったとか、もうぶっ倒れて死にそうだとかいう時に、俺たちがそれを音楽でぶっ飛ばそうと思ってるので」――そんな決意に満ちた卓郎の言葉に大歓声が巻き起こる中、「じゃあ、こっからもう9段階ぐらいギアを上げようと思うんだが……いけるか! いけるかあああっ!」と轟音メタルディスコ“Discommunication”で全編クライマックス状態のGRASS STAGEをさらなるロックの極致へ叩き込む! シンガロングがあふれ返った“Black Market Blues”、かみじょうのツーバス速射砲が身体も心も揺さぶった“新しい光”、激速進化したスラッシュメタルナンバー“Punishment”……パンキッシュな疾走感とともに響いたこれまでの楽曲群が、バンドの飽くなき進化をリアルに物語っていた。ラストは稀代のスラッシュワルツ“生命のワルツ”を凄絶に燃え上がらせて終了! さあ、GRASS STAGE最終日もいよいよ後半戦!(高橋智樹)

この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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RO69アーティスト情報

9mm Parabellum Bullet
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