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PARK STAGE 12:50

爽快にきらめく、ポップの「進化」と「理想」

PARK STAGE・3日目、三番手は、5年連続ROCK IN JAPAN FESTIVAL出演のねごと! サウンドチェックの段階から「リハーサル何聴きたい? 何でもいいんだけど」とオーディエンスに尋ねて“真夜中のアンセム”を披露。「この後楽しみましょう!」(蒼山幸子/Vo.&Key.)、「今日、なっとう靴下でーす!」(澤村小夜子/Dr.)とそれぞれにこの日のステージへの意欲を覗かせていた彼女たち。開演と同時に最新シングル曲“DESTINY”を意気揚々と響かせ、陽光あふれるPARK STAGEをタイトなビートとカラフルな熱唱で爽快に震わせた――ところに間髪入れずに広がる、ファンタジックなシンセサウンドと疾走ドラムは“カロン”! 観る者のセンチメンタルとメランコリックの欠片を鮮やかに掬い上げてロックの彼方へ解き放つようなメロディとアンサンブルが、目の眩むような多幸感を呼び起こしていく。




バンド一丸となって奏でるでっかいリフから、今年3月にリリースした最新アルバム『VISION』の“GREAT CITY KIDS”をダイナミックに響かせたところで、「暑いね! 写真撮ってますよ、小夜子が」(幸子)「ビデオ!」(小夜子)とリラックスしたトークでフィールドを沸かせるねごと。「まだ行けますか? 行けちゃいますかPARK STAGE?」と“メルシールー”へ流れ込む。沙田瑞紀(Gt.)のコードストロークが熱気をかき混ぜ、藤咲佑(Ba.)のベースラインと小夜子のリズムが地面を揺らし、幸子の歌声が夏空を貫いて広がっていく。『VISION』からもう1曲“endless”をひときわ清冽に鳴り渡らせ、1stアルバム『Hello! "Z"』からの“ループ”で満場のハンドウェーブを巻き起こし(小夜子は“ループ”のドラムを叩きながらスマホを掲げる離れ業を披露)……と自身の歩みをこの日のアクトに高純度凝縮してみせたねごと。あふれる情熱そのままに“nameless”をアグレッシヴに放射した後、最後に演奏したのは『VISION』のラストを飾る“憧憬”。幸子のシンセリードをきっかけに繰り広げためくるめく音の冒険が、《ああ! 長い長い旅は続いてく/いつかはその愛を撃ち抜きたい》という鮮烈な歌とともに極まって……終了。着実な進化と見果てぬ理想を真夏の風景に刻んだ、意欲的な名演だった。(高橋智樹)



この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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