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GRASS STAGE 17:10

10年越しの反骨精神で掴んだステージ

2日目GRASS STAGEのトリ前というスロットに、ROCK IN JAPAN FESTIVAL初登場のバンドが立つ。UVERworldだ。既に大きな作品セールスやライヴ動員を記録して確固たるキャリアを築いているバンドだが、その初登場までの道程には、並々ならぬ思いが込められていた。まずは真太郎(DRUMS)と誠果(SAX/MANIPULATOR)が姿を見せ、いきなり猛烈なイントロを繰り出す。そこに信人(BASS)と克哉(GUITAR)、彰(GUITAR/PROGRAMMING)が加わり、TAKUYA∞(VOCAL/PROGRAMMING)が「ウォイ!!」と心意気漲る掛け声を一発。重厚で大振りなバンド一体型リフに、エレクトロサウンドも加わって走る“ナノ・セカンド”だ。歌の合間に「UVERworld、たった8曲に、全力を注ぐからなあ!!」と、自分自身とオーディエンスを纏めて鼓舞するような言葉を投げ掛ける。



続く“Don't Think.Feel”で「聴こえねえなあ! 歌え!!」と執拗に煽り立てながら2本のマイクで声色を切り替えてパフォーマンスし、映画『新宿スワン』の挿入歌である“Collide”も届ける。TAKUYA∞は、集まった大勢のオーディエンスに笑顔で感謝の言葉を投げ掛けると、「UVERworld、結成15年でやっと掴んだステージなんだよ! デビューした頃に、このフェスに出たいってお願いしたんだけど、断られたんだ。その後何年かして俺、あの大きな木の辺りかな、お客さんとして観てて。自分だったら何を歌うかな、何を歌いたいかなって、思ってたんだよ」と告白を始める。誘われるようになってからも、このフェスには思い入れが強すぎるから、自分たちの世界、宇宙が固まるまで待ってくれ、そのときまだUVERworldがかっこいいと思ったら誘ってくれ、と告げたことを振り返り、「中途半端な気持ちでこのステージに立ってねえからな、オイ!」と叫ぶように伝える。



そこからのパフォーマンスは、真に止まらない熱狂そのものだった。全編が胸を焦がす言葉の一行一行だけで出来上がった“ENOUGH-1”の歌詞がスクリーンに映し出されて歌声を誘い、ありとあらゆる音楽のエッセンスに火をつけて“LIMITLESS”や“IMPACT”を畳み掛ける。「オラアって、乱暴な言葉使っちゃったりもするからさ、苦手な人もいるんだろう。でも、嫌いな人に気を遣って、嘘で塗り固めた音楽やっても、楽しくないからさ。こんな俺たちでもカッコいいって言ってくれる人を大切にして、UVERworldはやってきたから」。TAKUYA∞は、少しだけ感極まるような表情を見せながらそんなふうに告げ、生きる覚悟を美しくしなやかなメロディと歌詞に託した“7日目の決意”を歌い上げる。



そして最後には、“Ø choir”が、今日この日のオーディエンスによる高らかな歌声を巻き起こしていた。「ROCK IN JAPAN初登場、最っ高のステージだったぜ! 新しい時代に足跡つける、俺たちがUVERworld、よろしくどうぞ!」と、いつもの決め台詞をしっかりこのGRASS STAGEに刻み付け、熱い余韻を残したまま、彼らは去っていった。(小池宏和)



この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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