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WING TENT 11:10

美しき激情が導くロックの高み

hamaken(Guitar & Vocal)が頭上にタオルを掲げて「始めようぜー!」とライヴの開始を告げ、腕を高くあげると、WING TENTは怒号のような歓声が沸き起こり、AIR SWELLの3人を迎え入れた。そして、ゆっくりとギターを掻き鳴らし、静かに、しかし熱い想いを込めて歌い始めた“No going back”。Yudai(Drums)が打ち鳴らすバスドラが地面をビリビリと震わせ、hiromitsu(Bass & Chorus)はベースを低く構えながら、奔放にステージを移動してオーディエンスを煽る。続けて、軽やかに弾むクラップとともに幕を開けた“Broke as shit”では、どこか怪しげで魅惑的な雰囲気とともにフロアを踊らせていく。その3ピースとは思えない重厚かつ緻密でダイナミックなサウンドは、ラウドロックというジャンルだけでは語り尽くせない、とても奥深いものだった。




「今日はおもっくそ楽しんで帰ろうな!」とhamakenが親しげな言葉を投げかけた“デイドリーマーズバラッド”では、強烈なバスドラの3連打にのせた中毒性の高いサビが勢いを加速。さらに間髪入れず、鋭く駆け巡るギターのリフに美しいメロディが流れゆく“アンビヴァレンス”へ。「まだまだいけるだろー! ネコ被ってんじゃねえぞー!」(hamaken)と、畳みかけた“I will pay back”では、3人の凶暴なアンサンブルにのせて、オートチューンヴォーカルを駆使しながら、爽やかなサビのメロディが突き抜けていく。
「俺らも本当に楽しいです。今日は集まってくれてありがとう。バンドマンって演奏してなければ陸にあがった魚みたいなもんです。でも、ひとたび楽器を持ってステージに立てば、ふてくされた顔をした人も笑顔にできる。だから好きなんです、ロックバンド! だからやってるんです、ロックバンド!!」と、最後に熱く語りかけたhamaken。ラストナンバー“バッドボーイズ セレナーデ”では、どこまでもピュアに輝くメロディをのせて、シンガロングを巻き起こすと、オーディエンスを素晴らしき高みへと誘いフィナーレを迎えた。すべての演奏を終えたhamakenは「自己紹介が遅れたな、俺らが四国のAIR SWELLだ! ありがとう!」と一言。その堂々たる佇まいは、自らの鳴らすロックへの疑いなど微塵もない、絶大なる自信が漲っていた。(秦理絵)



この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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