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GRASS STAGE 18:30

「その向こうへ」突き抜ける興奮と感動!

4日間のGRASS STAGEの大トリを飾るのは10-FEET。「NAOKI(Ba./Vo.)のベースイントロがかっこいい曲なのにTAKUMA(Vo./Gt.)が勝手にユニゾンで弾き始めてひと悶着」というミニコントをやったり、ラストでHi-STANDARDの“STAY GOLD”をやって場を「うわあ!」ってアゲたりしていた2週間前のフジロックを観たもんで、さあ今日はどうするんだろう、と思っていたのですが、さすが大トリ、さらにスペシャルなライヴをぶちかましてくれました。


いつものSE“そして伝説へ…”が鳴り響き、数万のオーディエンスがみんな手に手に10-FEETのタオルを掲げる、というかなり感動的な光景がGRASS STAGEいっぱいに広がる中、TAKUMAがギターを弾きながら歌いだし、「♪く、れー」のブレイクのあと、「さあ、いこうか!」という言葉でスタートした1曲目は“風”、というゆったりとした始まり方。と思ったら「おまえらあ! めっちゃ好きやぞお!! 今からおまえらのことをボッコボコにするぞー!!!」と、“VIBES BY VIBES”へ。数万のオーディエンス、跳ねる跳ねる。 次の“STONE COLD BREAK”でもKOUICHI(Dr./Cho.)のビートに合わせて跳ねる跳ねる、「オイ! オイ!」コールが巻き起こる、そしてサビでは《STONE COLD BREAK》の大スクリーム。
「すごいぞ、この光景!」とNAOKI。「なんか煙みたいなんめっちゃ出てるけどなんじゃそれー! 湯気か砂ボコリかどっちじゃあ!」とTAKUMA。で、「俺らが大好きなRHYMESTERと一緒にやるぞー!」という紹介からDJ JIN(DJ / Produce)のスクラッチが響き、「みなさん、突然のコラボは好きですかー!?」とMummy-D(Rap / Total Direction / Produce)がアオり、“focus (re-focus) feat. RHYMESTER”へ。Dさんの男前なラップと宇多丸(Rap)のマイペース(ってことはすごい勢いと情報量ってこと)なラップが、オーディエンスを波のようにうねらせる。RHYMESTERがハケて “SHOES”、どこまでアゲるのかと思ったら、次の“2% ”のイントロで……出た。そうです、これです、「NAOKIのベースイントロが云々でひと悶着」のやつ。ただ、観るの2回目でも大笑いした。この夏の鉄板ネタなのね。“2% ”を完奏し、「1曲の間だけでもいい、本気のおまえを見せてくれ!」と“1sec.”へ。当然「♪オーオ」と拳が挙がる。




次の“蜃気楼”の途中でTAKUMA、完全に歌をオーディエンスに預ける。みんなすごい勢いで歌う。そして「俺は男やからよくわからへんけど、母ちゃんになった人、これからなる人、応援してるぞ!」と、“RIVER”へ。と思ったら、ギターソロ終わりでオーディエンスが勝手にがんがん歌うなか、かつてこの曲をリミックスした男=Kjが オンステージ!(今年通算4回目!) 自分たちも参加者も同じであることを告げる――つまりクソ泣かせるMCをし、「照明さん、落としてください」とステージを暗くしてオーディエンスに携帯を掲げさせ、「長崎、広島、大事なのは場所じゃねえんだ、勝ち負けじゃねえんだ――」とまたさらにクソ泣かせる言葉を口にし、演奏を止め、TAKUMAのヴァースを完全にオーディエンスにまかせる。もうレイジ・アゲインスト・ザ・感動製造マシーン状態、Kj。彼が去ったあと、「最後にもう1曲いいかあ!」と“goes on”で本編シメ。
アンコールは「京都大作戦でまだ完成してない新曲をやったんですけど、まだ完成してないんですけど……」と言いながら、そして曲名をめっちゃ噛みながら(なので聴きとれず)、その曲を披露。素朴で、でっかいグルーヴとでっかいメロディを持った、とても美しい曲。続いて“CHERRY BLOSSOM”、そしておそらく今日いちばんシビアで熱いMCをはさんで“その向こうへ”で終了。今日の最後に、アッパーでシリアスで切実なこの曲をもってきたところが、とてもグッときた。(兵庫慎司)


この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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