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BUZZ STAGE 13:10

究極の一夫多妻制エンターテインメント

登場を待ちきれないオーディエンスによる歓声と手拍子が響くBUZZ STAGEに、SEもなく、女6人、ワンテンポ遅れて男がひとり現れる。ROCK IN JAPAN FESTIVAL初出演の清 竜人25だ。清 竜人率いる、一夫多妻制アイドルユニットである彼ら。まずは“ラブ♡ボクシング”から、清 咲乃、清 桃花、清 亜美、清 美咲、清 可恩、清 優華の6人の妻を従え、センターで心底楽しそうに、ビシっとターンを決め、キレキレで踊るのは清 竜人である。力強くも繊細な彼の歌と、愛らしかったり、クールだったりと個性豊かに咲く妻たちの歌が交差していくさまに、オーディエンスのテンションも一気に上がっていく。一見ミュージカルなのだけど、「一夫多妻制」という濃すぎる彼らの関係性を込みで見ると、単なる「舞台」を超えたドキュメンタリーにも見えてくる。旦那をかついだ妻による神輿状態のフォーメーションから突入した2曲目“A・B・Cじゃグッと来ない!!”ではオイコールが巻き起こった。



“Call♡Me♡Baby”では、次々に6人といちゃついて、しかも時折客席に向かってどや顔を見せる竜人。続く“Will♡You♡Marry♡Me?”でもステージに寝転んで可恩のスカートの中を覗くわ、ラストに全員で左手を掲げて薬指に光る指輪を見せるわ。もうまさにやりたい放題。「アイドル」なんだよね、と確認したくなるんだけど、いいんです。なぜなら全員、彼の妻なのだから。観客も、そんな妻と旦那、7人の一挙手一投足に歓声を上げている。こんな「アイドル」、他にはいないだろう。

ツアーやアルバムリリースの告知を含むMCをしたあとは(ちなみにMCはすべて妻たち任せで、竜人はステージからフェードアウトしています)、そのアルバム『PROPOSE』からリード曲“ハードボイルドに愛してやるぜ♡”も披露。冒頭でいきなり、スタンドマイクを持った竜人が華麗にスキャットをかましたかと思えば、そのスタンドマイクを6人が奪い合い、歌をリレーしていく。曲名の「ハードボイルド」にかけて、刑事ドラマのように銃を構えたりする振り付けも決まっている。左右に分かれた妻たちに《空前絶後のスケベ》と言われながらも微笑をたたえ、不敵な竜人が印象的なラストの“Mr.PLAY BOY...♡”で、ひとりの夫と6人の妻の華やかなステージは幕を閉じた。「一夫多妻制家族」という彼らの「特殊な」関係性と、清 竜人による超一級のポップミュージックが織りなす、ミュージカルもアイドルも超えた唯一無二のエンターテインメントが、ひたちなかを魅了した。(塚原彩弓)




この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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清 竜人25
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