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LAKE STAGE 18:40

LAKE STAGE、最高のフィナーレを歌おう!

いよいよ最終日のLAKE STAGE、トリを飾ってくれるのはandrop! 暗くなり始めた会場に集まった観客の大きな歓声と手拍子に迎えられ、登場した内澤崇仁(vocal & guitar)、佐藤拓也(guitar & keyboard)、前田恭介(bass)、伊藤彬彦(drums)の4人。まずは全員でバーンとぶっとい一音を鳴らすと、ギターを高く掲げた内澤が「盛り上がる準備はできてる? 飛び跳ねる準備はできてるか? ラスト、思い切り楽しもうぜ!」と叫ぶと「オーオオオー!」の大合唱で1曲目の“Voice”がスタート。力強いビートが加わると、次の瞬間鮮やかなレーザービームがステージから放たれた。伊藤が刻むバスドラが鼓動のように身体に伝わってくる中、LAKE STAGEに響き渡るみんなの歌声があまりにも大きくて、もうそれだけで泣きそうになるほどの光景だった。《今より高く飛べるよ》なんてフレーズもオーディエンスの気持ちをさらに熱くさせていく。




 「8月5日に新しいアルバムを出したんだけど、その中からやりたいと思います」と内澤のアコギ1本で始まる“Star”を披露。バンドの深みあるサウンドが加わると、メロディはさらに伸びやかに優しさを帯びて運ばれていく。ステージは青い照明に包まれ、まるで大きな宇宙船に乗ったみたいな気分になる。彼らのアンサンブルが緻密で強靭だからこその、この安心感もまたandropのロックならでは。《流れる月日が君の心を壊しても/悲しみの底に夢を落としてしまっても》《大丈夫 大丈夫 一緒に乗り越えるよ/繋いでよ 繋いでよ 歌うから》――そんな真摯なメッセージが心の中いっぱいに広がっていく。アルバム『androp』から他にも新曲を披露したりしながら、その最新モードの開放感と爆発力を存分に発揮した彼らのステージに、オーディエンスも残りのエネルギー大放出!な勢いで自由に飛び跳ねて歌って、楽しんでいる。
 「最後にみんなと一緒に歌いたい。道に迷ったりつまずいたりすることがあると思うけど、それでも自分の信じた道を進んでください。俺も音楽を諦めようと思ったことが何度もあったけど、今こうして最高な景色を見れています。そんな歌をみんなと一緒に歌いたい!」と、いつになくエモーショナルな内澤。“Yeah! Yeah! Yeah!”を大声で歌うオーディエンスを前に彼らのサウンドはさらに熱気を帯びて、内澤は感極まったような生々しい声を重ねた。アンコールの”MirrorDance”まで、最高に盛り上がっただけでなく、彼らの音楽を、存在をとても近くに感じたアクト。曲の途中、「お前らが好きだー!」なんて内澤の反則技MCも飛び出し、後ろの後ろまで誰もが笑顔で高く跳び上がっているような素晴らしい光景に、最後まで4人でしっかりと音を重ねて気持ちを返していた。
ステージ前方に集まり、4人が肩を組んでお辞儀する姿と大きな歓声が、ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015 の最後に、強く心に焼きついた。今のandropの在り方とバンドとしての大きな成長が、密なコミュニケーションを生んだ最高のフィナーレだった。(上野三樹)




この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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