重厚な響きのオープニングSEに乗って登場し、「Hello! Noise and milkですよろしくー!」と塩貝直也(Vo&Gt)が挨拶すると、ギターを搔き鳴らして繰り出すのは切迫したロックンロール“Unfortunately”。ヒリヒリとした緊張感の中にも不敵さを忍ばせる、これが彼らNoise and milkのロックの手応えだ。アマチュア・アーティスト・コンテストRO69JACK 2012でグランプリに輝いたときは塩貝、田中健史(Ba)、中瀬元気(Dr)の3人組だったが、2014年4月に安代大士(Gt)が加わって4ピース編成となった。ギラギラとしたギター音響を振り撒きながらひた走る“Next Untouchable”をフィニッシュすると、塩貝は自身がオーディエンスとしてフェスを楽しむときの気持ちを引き合いに語り、今度は”There's No Solution”へと向かってゆく。寂しげな情感を増幅させる、田中のコーラス・ワークも美しい。

2015年2月4日にリリース予定のミニ・アルバム『Noise and milk』について告知すると、その収録曲“Brilliant Idler's Song”へと向かう。タイトに跳ねるギター・リフにはクラップが自然発生し、「ありがと!」と言葉を挟みながらクールな節回しのロック・ヴォーカルを決めてゆく塩貝である。「俺らがCOUNTDOWN JAPANのステージに立っているのは、ある意味事件です。なので皆さんは目撃者です。絶対後悔させないんで、これからも、Noise and milkを応援してください。ツイッターに、良かった、とか書いておいて。そしたら俺たちエゴサーチするから(笑)」と語って、新作からもう一曲、静と動のコントラストが鮮やかな“Inside of Me”を披露するのだった。90年代USオルタナティヴや、シューゲイザーの刺激的なギター・サウンドを継承しつつ、それをナチュラルな男の色気にも満ちた、独自のロックンロールへと落とし込むNoise and milkは、新曲群によってその表現世界を更に押し広げている。

「1サビで覚えて、2サビでみんなで歌おう!」と呼び掛けるこの日最後のナンバーは、“Lost And Lonely”。フレンドリーな語り口から、一瞬でさらりとロックンロールの興奮に到達してしまう、惚れ惚れするような自然体のカッコ良さを見せつけたステージであった。(小池宏和)




この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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