COUNTDOWN JAPAN 14/15は早くも折り返し地点を迎え、すべての出演アクトに先行してCOSMO STAGEに立つのは、アマチュア・アーティスト・コンテスト=RO69JACK 14/15の優勝を勝ち取った4組のうちのひとつ、東京パピーズである。木村太郎(Gt.Vo.)、松村秀人(Gt.)、三島健人(Ba.)、本多航大(Dr.)による、現在は全員が現役学生の若き4ピース・バンドだ。オープニング・ナンバーの“東京”は、木村がギターを搔き鳴らすところにしなやかなボトムが加わり、松村の饒舌なギター・フレーズがフロアの空気を縫うようにして放たれる。木村の熱を帯びた歌声とシンクロし、バンド・サウンドが一丸になって広がるさまがダイナミックだ。RO69JACKの応募曲でもある“サタデイ in the Y.K.”は、豪快なリフをぶん回し、くたびれながらも憤りを溢れ出させるような歌が凄い。若い学生のバンドだということを忘れてしまうような、味わい深さと力強さだ。

「はじめまして、東京パピーズです……すっごい人」と挨拶しながら、木村は高校生時代にCOUNTDOWN JAPAN 09/10へと訪れ、出演の数日前に他界してしまったフジファブリック・志村正彦のことを振り返り、「ずっと引き摺ってたんですよ。今日ね、フジファブリックが出る予定だった日と、同じ日の同じ時間帯なんですって。ああ、って思って」「ああいう人が居なくなっちゃうのはもう嫌だなと思って。そういう気持ちで歌を歌い続けてきました」「次の曲は“2014” という曲です。今年の歌です。死ぬことはないんだよ、っていう歌です」と告げて、この日最後となるそのナンバーに向かった。美しいフレーズの交錯の中から、突き抜けて来る木村の強烈なシャウトで、クライマックスへと向かう。個人的な思いを溢れ出させ、それが人々にダイレクトに伝わり、胸を揺さぶる。日々の中に抱え込んだものの重さ、大きさを受け止めさせる、素晴らしいステージであった。(小池宏和)




この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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