大きな歓声に迎えられたのは、COUNTDOWN JAPAN初登場となる北海道出身の4ピース、phatmans after school。「はじめまして、メッセ。準備はいいですか!」。ギタリスト、ユタニシンヤ(Guitar)の声を合図にライヴは“人類への過程”でスタートした。
疾走感たっぷりの、正統派ギター・サウンドにのせヨシダタクミ(Vocal, Guitar)のパワフルなヴォーカルがのる曲。グッド・メロディの王道チューンでありながらも、その音の世界にぐいぐいと引っ張り込んでいくパワーがあり、オーディエンスは夢中になって高く腕を上げ、またステージを指さす。
ストレートな曲ばかりでなく、ファストな打ち込みビートで踊らせる“無重力少年”や、一体感たっぷりに大合唱する“あいまいみー”など、ガンガン会場を揺らす曲もまたこのバンドの魅力。「“あいまいみー”は、もっと楽しめるようにコーラスと振り付けを作ってきました」と、お手本を見せるユタニ。そして、「踊ろうぜ、COSMO!」(ユタニ)という声とともに、ヤマザキヨシミツ(Bass)とホンマアツシ(Drums)のビートが力強く走り出す。レクチャーのお陰でばっちりと合唱も振り付けもきまったが、さらにギターを放ってむちゃくちゃにハジけたダンスまでしてしまうユタニ君は、ナイスキャラである。
「COUNTDOWN JAPANと言えば5年前に、俺とタクミが(事務所先輩の)藍坊主さんにバックヤードに入れてもらって。そのとき、『これ食べてみなよ』って言われて食べたメンチカツが美味くて。絶対、俺たちも出ようねって思った」(ユタニ)
そんな動機はさておき、こうしてステージに立ち、しかも会場を埋め尽くすオーディエンスがシンガロングしてくれているのだから、夢を持つことはとても大事である。
「さっきユタニ君が言ったように、僕とユタニ君はCDJにかける思いが人一倍強くて。僕自身、北海道にいたので大きなフェス――RISING SUNはあるけれど、なかなか触れあうことができなくて。初めて触れたのがこのCDJだった。叶えたい夢を叶えて、今それを噛みしめている最中なんです」(ヨシダ)
12月3日にリリースしたばかりの1stアルバム『セカイノコトハ』からの曲を中心に、フレンドリーなグッド・メロディで心を掴み、力強いサウンドで体も掴んだphatmans after school。ラストは、《Hello hello 愛しい人》というまっすぐな呼びかけが胸にあたたかく響く“ツキヨミ”を披露。彼らがそうだったように、きっと今日のこのphatmans after schoolのステージをきっかけに、夢を持ち、叶える人が出てくるのかもしれない。とてもピュアな輝きがあるステージだった。(吉羽 さおり)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。