今年で12回目の開催となるCOUNTDOWN JAPANに毎年出演を果たしているART-SCHOOL、昨年に続きここGALAXY STAGEに登場!……だが、バンドを待ち受けるフロアのムードには、前回とは明らかに違う切迫感が混じっている。彼らはこのステージの前日に、「新たな環境で活動を行うため、2015年2月13日(金)新木場STUDIO COASTでのライヴ以降の活動休止」を発表しているからだ。それでも、木下理樹(vocals/guitars)&戸高賢史(guitars)とリズムを担うスーパー・サポート=中尾憲太郎(bass)&藤田勇(drum)が登場、“スカーレット”の鋭利で甘美なサウンドを響かせると、GALAXY STAGEは一気にART-SCHOOLの音楽の痺れるような高揚感に支配されていく。

爆音アンサンブルを貫いて噴き上がった“サッドマシーン”の木下の絶唱。タイトなビートが描き出す“Promised Land”“ UNDER MY SKIN”の背徳的なまでの加速感。ucary valentine(chorus)を招いて披露したのは“SWAN DIVE”。戸高のアルペジオとともに、木下&ucaryが歌い上げるメロディがひときわカラフルに花開いて、GALAXY STAGEを目映いばかりの多幸感で満たしていく。ucaryを送り出した後、「えーと、ART-SCHOOLといいます」とオーディエンスに語りかける木下。「ニュースを聞いて知ってる方も多いと思うんですけど……ま、活動休止をします。でも、必ずまた戻ってくるから。そこは信じて待っててください。よろしくお願いします」。ひと言ひと言大切そうに語る木下に、フロアから拍手が湧き起こる。そこへ轟々と渦巻く“MISS WORLD”“ ロリータ キルズ ミー”の、ロックのロマンの無限炸裂のような戦慄必至のサウンドスケープ。身体も心も震わせる破壊的に美しい風景が、この場所には確かに広がっていた。

「ART-SCHOOLを14年やってきて……自分の人生の一部なんですね」と再び木下が語る。「僕は人付き合いとかが、どう見ても苦手じゃないですか。でも、僕が生きているのを実感するのは、こういう場所だけなんです。だから、今この瞬間は一緒でありたいと。この一瞬は永遠だと思ってやってきました。つまり……これからもやっていくということですね。この場を用意してくれたロッキング・オン、スタッフ、そしてお客さんに感謝します」……そんな言葉に、熱い拍手喝采が巻き起こる。衝動のままに生き急ぐような“あと10秒で”のスリル。爆発的なスケール感をもって響き渡った“FADE TO BLACK”……フィードバック・ノイズの中、フロアへ一礼するメンバーに向けて、惜しみない拍手が降り注いだ。(高橋智樹)





この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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