集まった多くのオーディエンスの大きな期待と緊張感の中、色とりどりの衣装を身に纏ったダンサーたちが登場。もうそれだけで楽しくてドキドキなのだが、頭に大きなリボンをつけたきゃりーぱみゅぱみゅがステージに現れると、更に大きな歓声が! すぐさま“もったいないとらんど”を歌い始めると、そのキュートで華やかなステージングにオーディエンスが釘付けに。昨年に続き、2度目のEARTH STAGEへの出演だが、この大舞台いっぱいに広がるワンダーランドは進化し続けて既に風格すら漂う。
「みなさん、楽しんでますかー! 盛り上がってますかー!」と挨拶。そして「私事ではあるんですけど、今日はお父さんの誕生日です! なので親孝行もふまえてライヴをしたいと思います」と語ってくれた。
続く“Ring a Bell -Short Ver-”では客席に向かって、隣の人と手を叩いたり肩を組んだりする振り付けをレクチャーしてから曲に入る。知らない人同士でも、みんなひとつになって踊る様、それは例えば小学校時代のフォークダンス「マイムマイム」を思わせるもので、それを幕張メッセでやってるんだからもうニヤニヤが止まらない。
“つけまつける”で更に盛り上がった後は、文字通り《世界征服》を果たしたきゃりーによる“インベーダーインベーダー”。ここでもまたみんなでインベーダージャンプを繰り広げるなど、きゃりーぱみゅぱみゅの世界の住人になってその楽しさを味わい尽くそうとするオーディエンスの積極的な参加がこの大きなEARTH STAGEをひとつにしていく。見事だ。
しかし観客より更に貪欲なきゃりーが“PONPONPON”から“にんじゃりばんばん”、そして「とってもロックでカッコイイ曲をお届けしたいと思います」というMCと共に会場の熱気を上げまくった “ファッションモンスター -Extended Mix-”と、キラーチューンを続けざまに披露。絵本のページを次々とめくるみたいに、きゃりーとダンサーと音楽で紡がれる立体的なポップ・ワールドから目が離せない。大人だとか子供だとか、好きな音楽ジャンルだとか、そんな細かいことなんか一気に超越して、ただただ素直に楽しんでいいんだ、と思わせてくれるような、そんな強さのあるエンターテイメントなのだ。
2014年は2月よりスタートした2度目の大規模な世界ツアーを成功させ、7月に3枚目のアルバム『ピカピカふぁんたじん』をリリースし、より多くの進化と収穫のあった1年の終わり(&お父様の誕生日!)にふさわしく、きゃりーぱみゅぱみゅが鮮やかにその存在感を見せつける。
ラストは最新シングル曲の“きらきらキラー -Extended Intro Edit-”。ほんの少しのセンチメンタルと圧倒的な輝きを混ぜ合わせ、今のきゃりーぱみゅぱみゅが歌い踊る様に、たくさんの笑顔が生まれた。それはこの年末の特別感とEARTH STAGEにふさわしいカラフルで華やかな熱狂だった。(上野三樹)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。