夕方のASTRO ARENAに登場したのは、沖縄発の4人組バンド、NEENEE。COUNTDOWN JAPANには初出演となる彼らだが、とは言っても、そのメンバーはロックシーンでキャリアを重ねた猛者ばかり。YAMATO(Vo./ORANGE RANGE)、TAKASHI(Gt./MONGOL800)、TETSUSHI(DJ/RYUKYUDISKO)、SEIJI(MANAGER、Ba)。2014年8月にデビューアルバム『N1』を発売し、そのリリースパーティで2度ライヴを披露して以来、このCOUNTDOWN JAPAN 14/15が3回目となる超レアなステージに、集まった観客も開演前から今か今かと期待を膨らませているようだ。

客電が落ち、ASTRO ARENAのスクリーンに迷彩柄に乗せた「NEENEE」の文字が現れる。DJであるTETSUSHIによるトラックに乗せてメンバーがステージに登場すると、集まったオーディエンスからは大きな歓声があがる。1曲目は“ NOW IS THE TIME”。ギターのイントロに乗せて、YAMATOの優しい歌声がASTRO ARENAに広がってゆく。YAMATOは本日ORANGE RANGEとして、EARTH STAGEのトップにも出演したわけだが、レンジで見るのとはまた一味違った温かみのあるのびやかな歌声が印象的だ。エレクトロながらどこか優しさのある楽曲と合わせて、真冬の幕張に海辺の温かな風が吹いているような和やかな気持ちになる。そのまま流れるようにして、2曲目“ POWER PLAY PUSH”へ。躍動感のあるビートにYAMATOが叩くパットのリズムも加わって、会場を一気にダンスフロアへと変えてゆく。TAKASHIのへヴィなギターリフから繰り出されたのは“ GOD HAND”。骨太なロックとエレクトロ、それにレゲエやテクノの要素も加わった楽曲に、オーディエンスも手を上げて応える。様々なジャンルを盛り込みながらも、それがNEENEE流のダンスロックとしてきちんと美しい流線形を描き出すのは、日頃それぞれのフィールドで活躍する彼らだからこそなし得る技だろう。

「どうもはじめまして、NEENEEと申します。よろしくお願いします! OK、がしがし行きましょう!」と挨拶を挟むと、ライヴは後半戦へと突入だ。YAMATOが再びパットの前に立った“ CHOCOLATE & MILK”、ミドルテンポながら後ノリのリズムが気持ちいい“ BRAVO”、TAKASHIの「HEY!」の声に合わせて観客が大きくジャンプしてみせた“ HEY!!”と、切れ目なしに曲を投下していく。「COUNTDOWN JAPAN、初めて出させてもらって本当に幸せです、ありがとうございました!」というMCのあと、メロディアスなピアノのイントロが会場を包み始まったラストナンバーは“STAND UP”。YAMATOの歌うメロディに漂う温かな空気と、私たちを芯から揺らすEDMのテイストを持ち合わせたビートに乗って、心から踊れる至福の30分。名うてのプレイヤーたちによるサブプロジェクト、といった域を優に超え、私たちに新たな音楽体験をもたらしてくれる素晴らしいアクトだった。(安田季那子)




この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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