メンバー自ら入念に行っていたサウンドチェックの後、「この後、また出てくるんですけど『人気者が出てきた~』っていう体で盛り上がってもらっていいですか?」という言葉を残して一旦ステージからハケたいちろー(Vocal/Guitar)、せんせい(Vocal/Keybord)、おいたん(Guitar/Chorus)、佐藤全部(Bass)、かみむー氏(Drums)。本番の時間になり、SEの“愛は勝つ”が流れる中、再び登場した彼らを、まさしく希望通りのもの凄い拍手と歓声が出迎えた。そして、メンバーがまず繰り広げたのは何とお餅つき! 段ボールで作ったのだと思われる杵と臼によるお餅つきパフォーマンスが妙に面白い。臼からせんせいが元気よく飛び出し、いちろーは「東京カランコロンの餅です!」と彼女を紹介……という何だかやたらとほのぼのしてしまう場面を経て、いよいよ演奏へ。 「このステージは僕らにとって今までで最大。今日はバンドが生まれてから最高のライヴをしたいです。全力でやります!」、やる気の漲ったいちろーの言葉を合図にスタートした1曲目“少女ジャンプ”。軽快に刻まれるビート、おいたんが放つ印象的なギターリフ、せんせいといちろーが歌声を交わし合いながら煌めかせるカラフルなメロディが、最高に気持ちいい。続いて、パワフルに躍動するサウンドが観客の激しい手拍子を誘った“16のbeat”。東京カランコロンのトレードマークとも言うべきフワフワした音色のシンセで彩りつつ、せんせいの温かい歌声を煌めかせた“恋のマシンガン”……曲が連発される毎に、集まった観客がますますこのバンドに夢中になっていくのを感じた。

ハンドマイク体勢となったいちろーがメインヴォーカルをとり、鬼気迫るエモーションをヒリヒリと高鳴らせた“笑うドッペルゲンガー”の後に迎えたインターバル。「2014年から2015年を表現したんだけど」と、我々に両足を示した佐藤全部(裸足の方が2014年、靴下を履いている方の足が2015年ということらしい)……いつもながらシュール極まりない彼の発言を、絶妙なタイミングで「ここに立てるのはみんなのお陰です!」と容赦なくブッタ切ったいちろー。せんせいは「2014年は制作期間が長くて。バンドとすごく向き合った1年やと思ってて。今は5人で何やってもカランコロンっていう自信があります。来年は強くなった自分たちで、頑張っていくのでよろしく」と、想いを語ってくれた。

終盤でまず届けられたのは新曲“ヒールに願いを”。この曲は本当に素晴らしかった。胸にぐっと迫るメロディが壮大に響き渡り、うっとりした表情で耳を傾けていた観客。続いて、いちろーの悩ましげなダンスとファルセットヴォイスがハジケまくったディスコチューン“true! true! true!”。そして、かみむー氏のドラムソロを挟んでラストに披露されたのは“泣き虫ファイター”。明るいキャッチーなメロディがフロアにキラキラ降り注いでいく。至福! 東京カランコロンの2014年の充実した日々と、彼らが2015年に示すに違いない大躍進を確信させられるライヴだった。(田中大)





この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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