「ヘイヘイヘーイ! 行くぜーSUMMER NUDE!」とYO-KING(vo>r)が声をかけ、始まったのは“ENDLESS SUMMER NUDE”! 1997年にリリースされた真心ブラザーズの大名曲だ。満員のMOON STAGEはもちろん、たちまち踊りまくるオーディエンスの手の波でキラキラと輝いた。その波の上を心地良いメロディとサウンドが駆け抜けていき、真冬に聴く“ENDLESS SUMMER NUDE”はまた格別で極上の思い出を彩ってくれる。桜井秀俊(gtr&vo)がコーラスを添えると、YO-KINGも満足気な笑みを浮かべながらゆっくりステージを歩きながら歌っている。

「真心ブラザーズは今年、お陰様で25周年を迎えることができました、ありがとう!」とYO-KINGが挨拶すると、“消えない絵”へ。ラフなムードのロックンロールがほんの少しの哀愁を帯びながら、だけどもとびきりフレッシュなムードで響き渡る。そして《欲しいもの 知りたいこと 見たいもの 聴きたい音/好きなとき 好きなひとと 好きなだけ 好きなことを》という歌詞が真っ直ぐに飛び込んでくる。これぞ、憧れの真心哲学。間髪置かずに3曲目は“I’M SO GREAT!”。今年、彼らが立ち上げた自主レーベルDo Thing Recordingsからの第一弾シングル曲。今の真心の自由で新鮮なムードいっぱいだ。

「今年はアルバム『Do Sing』を発表しました! 買ってくれた? 俺は買ってないよ! でも自分で買う人いるよね、発売日に」とYO-KINGが言うと、桜井が「俺は買ったことありますよ」と答え、更に「ポスター貰ったことありますよ! 全然気付かれないんで(笑)」と笑わせてくれる。そしてアルバム『Do Sing』から“splash”を披露。YO-KINGの歌に寄り添うような桜井のギターの音色が実にソウルフルで雄弁なポップ・ソング。ほんのり甘酸っぱさも加わって会場いっぱいに広がっていく。

桜井が激しくギターを掻き鳴らし、“拝啓、ジョン・レノン”へ。活動休止していた期間もありながらも、25年というキャリアを重ねてきた彼らの音楽への熱意と、その説得力に満ちた演奏だ。

まだまだ25周年の真心ブラザーズのエネルギッシュなモードは鳴り止まない。「だる~いカンジ!」の一声でどっしり始まったのは1995年にリリースした“スピード”。「幕張のみなさーん! 行くよー!」とYO-KINGが声をかけると岡部晴彦(bass)と伊藤大地(drs)のサポートを含むバンドはBPMを加速させ、怒濤の激しさに! うかうかしていたら振り落とされそうなスピードとドライヴ感のある演奏で会場を盛り上げていく! フロアからはたくさんの手が掲げられ、超初期ナンバーを演奏しながら今の真心ブラザーズの攻撃的なモードを見せつけてくれた彼らに歓声が沸き起こった。 「ドラムの大ちゃんはサンフジンズでも出ますんで、この人、歌いますからね! 楽しんで行ってね!」とYO-KINGは最後に付け加えながら、真心ブラザーズとの熱く楽しい時間は幕を閉じた。(上野三樹)




この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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