サウンドチェックの様子からも気合十分な雰囲気が伝わってきた初登場のSUPER BEAVER。「4時から本番です。よろしくお願いします!」と言い残して袖へ消えると、改めてSEと共に登場。渋谷龍太(Vocal)、柳沢亮太(Guitar)、上杉研太(Bass)、藤原”26才”広明(Drums)の4人が出揃うと、渋谷は「何が正解か? 何が間違いか? 自分が信じたもの、それが全て!」と、いきなり捲し立て、1発目は“それでも世界が目を覚ますのなら”だった。緩急をつけたドラマチックな演奏がフロアに沁み渡る。そのド真ん中にあるのが渋谷の切実で真摯な歌だ。「全てがあんた次第、全てがあなたで完結する。あんたらしさを見せてくれ!」、そう叫んだ“らしさ”では、《自分らしさってなんだ?》と、客席に強く問いかけた。その熱いメッセージに引きつけられるように、フロアには続々と人が集まってくる。
曲の合間に超早口のマシンガントークを畳みかけるのが渋谷という男のスタイル。ついつい話が長くなるので、「今日は押すなって言われてるんで、時計を持ってきました」と。そして「楽しそうな顔を見られて満足です。それだけで全部OK!」と伝えると、“歓びの明日に”につなぐ。一瞬先は闇、でもその中にいる人の背中を押したい、という願いを、メンバー全員が一丸となって聴かせる。そしてラストナンバーは“ありがとう”だった。「呼んでくれたロッキング・オンの、その意思にありがとう。あなたたちにではなく、あなたに、ありがとう!」と、「ありがとう」の真意までも噛み砕いて語らずにはいられない、それが渋谷の、SUPER BEAVERのやり方なのだ。
最後の最後にも、「言わなくたってわかる、そんなことだけど。言われなくたってわかる、そんなことだけど。声を大にして言いたいと思います。ありがとうございました!」と締めくくったSUPER BEAVER。不器用でも真っ直ぐに、とことん熱く泥臭く闘い続ける彼らの、初めてのCOUNTDOWN JAPANは、その爪痕をリスナーの心にしっかりと残す熱演だった。(秦理絵)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。