29日に続き、4人の女性シンガーソングライターが、ギター1本で弾き語りを披露するASTRO SPECIAL。歌とギターというシンプルな編成だからこそ、彼女たちの歌とメロディ、そしてその愛すべきキャラクターが際立つ、特別なステージとなった。

トップバッターの井上苑子。MCでも明かされていたとおり現役高校生の17歳で、今日のステージにも制服姿で登場した。7月にリリースしたミニアルバムの表題曲“線香花火”では、可憐で繊細な声を、時にささやくように、時に力強く広がりを持たせるように、自在に使い分けて多彩な歌を繰り広げていった。MCでは溌剌とした明るい笑顔を見せて「このCOUNTDOWN JAPANが、私にとって一番大きなステージです」と話すとフロアからはあたたかい歓声と拍手が沸いた。テイラー・スウィフトの“Mine”のカヴァーも披露しながら、瑞々しい歌とメロディがASTRO ARENAいっぱいに響き渡った。



2番手は新山詩織。1曲目“分かってるよ”が始まると、一瞬にしてASTRO ARENAの雰囲気が塗り替わる。静かでメランコリックなアコギの音と深みのある温かな声を、ひとつひとつ丁寧に紡いでいく新山。12月3日にリリースした最新シングル“絶対”で、凛とした面持ちでまっすぐに前を見つめる姿には、歌うことに対する意思の強さを感じた。MCでは「緊張している」と言っていたが、曲を重ねるうちに歌の中で自由に開放的になっていく。力強いカッティングで始まったラストの曲は“ゆれるユレル”。曲中に「ありがとう!」と、最強にキュートな笑顔が咲く。最後に深くお辞儀をする彼女に、盛大な拍手が送られた。



水色のエレキギターとともに現れたのはSaku。“あたしを好きだなんて天才かも”などカラフルな曲を披露してこのASTRO ARENAを華やかに彩っていく。時折愛らしい笑顔見せながらも、手元ではエッジーなギターリフを刻む姿が印象的だ。「渋谷のタワーレコードで働きながら音楽活動を続けている」と明かしたMCを挟みながら、The Cureの“Boys Don't Cry”も披露。疾走感あふれる性急なサウンドに、スウィートでパワフルな声で気持よく乗る。ラストの“1st Q&A”では弾けるような爽快な開放感が広がり、普段はバンドスタイルでライヴをやることが多いという彼女らしい、パワフルなステージングだった。



ラストは植田真梨恵。幻想的なSEが流れるなか両手を広げて現れて、溢れんばかりの人が詰めかけたフロアの様子を、笑顔で眺める。そして“心と体”でアグレッシヴにライヴをスタート! その身を切るようなエモーショナルな歌には曲中にもかかわらず、フロアからは大きな歓声が上がった。ソリッドでありながら、時々しっとりした一面も変幻自在に見せていく、色気漂うステージングだった。8月にリリースしたメジャーデビュー・シングル“彼に守ってほしい10のこと”では、その強い眼差しで、集まった人々と真剣に向き合うような表情を見せる。「また会いましょう!」と強く言い放ち、彼女は笑顔でステージを去っていった。(若田悠希)


この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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