リハーサルでの演奏だけで、本番?と錯覚する盛り上がり。これはスゴいことになると予感した矢先、go!go!vanillasは予想以上の熱いパフォーマンスを繰り広げた。定刻。元気にステージに駆け込んできた4人を大きな手拍子が迎え入れると、1曲目はメンバーのルーツへの愛情が溢れた“アクロス ザ ユニバーシティ”。一気にオーディエンスを巻き込んでいく演奏の吸引力がスゴい。間髪入れずに“エマ”。きらめくメロディと同時に、圧倒的なポピュラリティを湛えたバニラズのギターリフに完全にノックアウトだ。「燃えてるじゃないか、幕張!」と、長谷川プリティ敬祐(ba)。“ハイテンション”では、この場所にバンドが立つ意味を1秒1秒確かめるように音を刻みつける。
MCでは、2年前にCOUNTDOWN JAPANには遊びに来たことがあるという話から、今度は出演者になれた歓びを伝えると、「2014年最後の1日を、2014年で1番楽しい1日にしませんかー!」と、牧 達弥(vo/g)。皮ジャンを脱ぎ捨てた“ホラーショー”では、曲の間にも、「大晦日ですよね。あと7時間ちょっとで2014年終わっちゃいますよ。こんなもんで終われますか? もっともっとクレイジーになれるんじゃないですか!」と煽りを入れる。渾身のドラムソロを披露したジェットセイヤ(dr)は「お前のテンションがほしいー!」と絶叫。さらにプリティが主導するバニラズ名物コール&レスポンスのあとは、みんなで大合唱。“ホラーショー”1曲に盛り上げ要素が満載だ。
そしてジェットセイヤのドラムが軽やかに走る“マジック”でウェスタンっぽい雰囲気を作りあげると、感極まったように、「こんな光景、夢みたいやな、プリティ」と、牧。プリティが「現実やで」と答え、ラスト1曲。あと数時間後に訪れる2015年、その素晴らしい朝を願って“オリエント”を届けた。光溢れる会場を埋め尽くすお客さんのハッピーな表情。それはgo!go!vanillasが2014年、大きな進化を遂げたことを確信するのに十分な、本当に素晴らしい光景だった。(秦理絵)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。