4人が手を振りながら姿を見せ、それぞれ楽器を手に取り対馬祥太郎(Dr)のドラム・セットの周囲に集まると、4人で掌を重ねて威勢の良い掛け声を一発。大喝采を浴びながら光村龍哉(Vo&Gt)が「NICO Touches the Wallsです!」と名乗りを上げ、眩いギター・サウンドのイントロの中で「マクハリィィィ!!」とシャウトしながら“バイシクル”を切り出す。運命という名の神に挑む、ロックンロールの本質をがっちりと掴んだこのお馴染みのナンバーが、丸裸の4ピース・サウンドに筋肉質な成長を上乗せして放たれるさまが凄い。「みんなもう目ぇ覚めたかー!? よっしゃあぁ!!」と続けざまに披露される“手をたたけ”では一転、無数のオーディエンスもひっくるめてNICOというバンドであるかの如くハンド・クラップが打ち鳴らされ、それに焚き付けられる古村大介(Gt)のギター・ソロも熱く燃え盛っていた。

「今年もこのCOUNTDOWN JAPAN、EARTH STAGEに戻って来れて本当に嬉しいです! なんか……まじでEARTH STAGE、でっかくなったなあ(笑)」とひとしきり広大なフロアに呼び掛け、「僕らもこの幕張で、ベスト・アクトを目指してやるんで、よろしくお願いします」と自信満々に言い放つ光村。“ホログラム”、“N極とN極”と代表曲が並ぶ、結成10周年である今年2月に放ったベスト盤さながらのグレイテスト・ヒッツ・ライヴだが、鍛え込まれ引き締まった彼らの生のサウンドは、会心の手応えと呼ぶより他に無いだろう。「ホッ!、ハッ!」とコンビネーションをきっちり揃える躍動感も最高だ。バンド一丸のエモーショナルなコーラス・ワークに彩られた“Mr.ECHO”も、坂倉心悟(B)がグイグイとリード・ベースで爆走を牽引する“THE BUNGY”も、ありとあらゆる瞬間にロックの狂騒を形作るためのスイッチが仕掛けられいて目が離せない。

「まだまだこんなもんじゃねえだろう! こんなもんじゃ年越せねえよマクハリー!!」と飛び込む“ニワカ雨ニモ負ケズ”を途中で寸断し、「へっへっへ。みんなすげえいい顔してるぞーっ!!」と告げる光村自身が、汗まみれの満足げな笑顔を浮かべている。バンド史上2度目、そしてリベンジでもあった武道館公演が成功したことへの感謝、さらには2015年2月4日にリリース予定のアコースティック・アルバム『Howdy!! We are ACO Touches the Walls』について伝えると、「来年はここに、アコースティック楽器を持って戻ってきたいと思います!」「もっとやりたいことあるんで、来年は今年よりもっと面白い年にしたいと思います!」と堂々の宣言。まさにその言葉を裏付けるようなNICO流爆裂ウエスタン・スウィング“天地ガエシ”が、今回のステージを賑々しく締め括るのだった。(小池宏和)





この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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