2日目の13時というところで、EARTH STAGEもいよいよ稼働。より広大になったフロアを前に、COUNTDOWN JAPAN 14/15総合プロデューサー・渋谷陽一による「このフェスの顔と言ってもいいです!」という紹介で呼び込まれるトップ・バッターは、最強のパーティ請負人集団=ORANGE RANGEである。姿を見せてステージ上で軽くストレッチしたり、大会場でも気負いの無い佇まいはさすが。雨のそぼ降る年の瀬に、YAMATO(vox)、HIROKI(vox)、RYO(vox)のフロントラインが心の奥底から温めるようなハーモニー・ワークを繰り出しながら、「夏を届けにやって参りましたー!」と“サディスティックサマー”を放つオープニングだ。まさに、空気を一変させるポップの魔法である。

NAOTO(gt)のギラついたギター・リフのイントロに、大勢のオーディエンスが好反応を示して食らいつくのは“以心電信”。あっさりと巨大なコミュニケーションを成立させてしまう。しかし、「今年もこのステージでライヴ納めが出来て、嬉しいですねえ。去年は、前田敦子の裏。今年は、ゲスの極み乙女。の裏」「でもこのフェスは、どのステージを観てもスペシャルですから。我々ORANGE RANGEも、大暴れして帰るんで、最後までよろしくお願いします!」といったMCを投げ掛けるHIROKIである。ここから更に“Oh! Yeah”、“イケナイ太陽”と、熱を帯びたヴォーカル・リレーでオーディエンスの歌声を攫ってゆく彼らは、余裕の王者というよりも、毎回の正念場に挑む挑戦者のマインドを持っているのだ。

それにしても、年々鋭く磨き込まれ、名刀のように切れ味を増してゆく彼らのバンド・サウンドは本当に凄い。“オボロナアゲハ”を渾身のシャウトで締め括ると、エコーがかったドラム・ビートの上でHIROKI→YAMATO→RYOの順にラップを繰り出し、歪んだラウド・サウンドをぶっ放して一面のオーディエンスを跳ね上がらせるのは“キリキリマイ”である。カオスのような轟音に突入するさまが、えらいことカッコいい。「トップ・バッターということでお客さん集まるのかなあ、と思いましたが、本当にありがとうー(RYO)」「興奮し過ぎて、立っちゃいましたよ。ステージにね(YAMATO)」と口々に語るメンバー。ここから更に“お願い!セニョリータ”、コール&レスポンスやアクションをきっちりレクチャーしてからの“Special Summer Sale”と、追い込みを掛けてゆく。

そして「最後まで夏でいいですかー!?」と、トドメの一撃には“上海ハニー”である。ここではRYOが、オーディエンスにカチャーシーの踊りと「イーヤーサーサ!」の間の手を要求し、EARTH STAGEを最高のチャンプルー・ダンス会場に仕立て上げてしまっていた。「ウォーッチ! 今何時!? ORANGE RANGEでしたーっ!!」という締めに至るまで、手抜かり一切なしの極上パーティであった。(小池宏和)




この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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