2日目COSMO STAGEもあと2組を残すのみ――というところに、リハーサルから“塊”を披露して広大な空間をびりびりと震わせてみせたのは赤い公園! 鮮烈な進化を刻んだ快盤『猛烈リトミック』を発表した2014年を締め括るこの日のアクト。佐藤千明(Vo)/津野米咲(Gt)/藤本ひかり(Ba)/歌川菜穂(Dr)がオン・ステージすると、いきなり爆裂ナンバー“絶対的な関係”で会場を紅蓮のロックの坩堝へと叩き込んでみせる。さらに“のぞき穴”の津野のハード・エッジな轟音と佐藤の「のぞいちゃいな!」の天を裂くような絶叫が、COUNTDOWN JAPANという祝祭空間丸ごと震撼させるような強烈なヴァイブをもって響き渡る!

そこからは一転、「どうしてもみんなと一緒に言いたい言葉があって、この曲を持ってきました!」という佐藤の呼びかけに応えて、続く“楽しい”ではフロア一丸の「楽しい!」コールが巻き起こっていく。クール&アヴァンギャルドなキャッチーさに満ちた“今更”が一面のハンドウェーブとともに広がり、清冽な疾走ナンバー“サイダー”が真冬の幕張メッセを陽光あふれる季節へと塗り替えて……といった具合に、赤い公園のポップ・サイドが1曲また1曲と解き放たれていく。「楽しい気分をポップな曲に」「ダークな感情をダークな曲に」という枠組みもジャンルの垣根も綺麗さっぱり取っ払って咲き誇る津野のソングライティングとメンバーの表現力を、複数のプロデューサーとともに極限までカラフルに炸裂させたのが『猛烈リトミック』というアルバムだったが、そこで圧倒的な進化を遂げた音楽的冒険心が、彼女たちのサウンドにより強烈な躍動感とヴァイタリティを与えているのがわかる。

「我々の2014年は、この曲に出会えてとてもいい年になりました!」という佐藤の言葉とともにどこまでも晴れやかに響いた、『猛烈リトミック』のリード曲“NOW ON AIR”。さらに、「貴重な時間を割いてくださってありがとうございます。来年、2015年もよろしくお願いします!」という言葉とともに披露した最後の楽曲は、彼女たちのライヴでは定番の熾烈なるクロージング・ナンバー“ふやける”。静謐の奥底の如き導入部から気合い一閃、幕張メッセを貫いて夜空の果てにまで響いたのでは? と思わせるほどの佐藤の絶唱が、そして津野/藤本/歌川が繰り広げるカオティックな轟音世界が、ロックでもパンクでもハードコアでも割り切れない凄絶な光景を描き出していった。(高橋智樹)




この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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