ガラ(Vo)がステージに置かれた学習机から大ジャンプ!と共にスタートした“千代田線デモクラシー”。威風堂々たるヘヴィなサウンドで《無駄無駄無駄無駄》と繰り返せばステージにいるメンバーもフロアのオーディエンスも大暴れ! “ジャパニーズモダニスト”へ続くと結生(G)と健一(G)によるギターのアンサンブルも豪快に絡み合い、ガラがフロアを煽るように《聞こえるか?》と何度も呼びかける。
そして“絶望”に突入すると「今日はゲストがひとりいます、呼んでいいですか?」とROTTENGRAFFTYのNOBUYA(VOCAL)を招き入れると、観客から大歓声が。同じ時代に音を鳴らして戦っている彼らが共鳴しあって実現したコラボレーション。ガラは「やっちまえー!」と叫ぶと、ふたりでパワフルなハモリを聴かせ、「お前らの声、聴かせてくれー!」と煽るとフロアも沸騰状態に。興奮が興奮を呼ぶカオスなMOON STAGEはもう誰も止められない。曲が終わるとNOBUYAとガラはニヤリと笑ってハイタッチした。
「こんばんは、MERRYです!」と今度はネロ(Dr)がMC。「3年5ヶ月ぶりにアルバム『NOnsenSe MARkeT』をリリースしました、その中から聴いてください」と “NOnsenSe MARkeT”を披露。緩急の激しいリズムで曲を展開しながら、ガラの哀愁を帯びた歌声が真っ直ぐに届いていく。
ラストは昨年リリースされたシングル曲“梟”。ガラは白いジャケットを脱ぎ、いつの間にか上半身裸に。困難を越えて明日を掴もうとするような、胸を打つその歌に観客のひとりひとりが激しく身を揺さぶっている。最後の最後、ガラは机で三点倒立をキメ、足の裏で拍手をしてみせた。昨年はガラのヘルニアの手術や、テツ(B)が事故により表舞台での活動中止を余儀なくされたりと、思うように前に進まないことも多かったが、そんな中で新たなアルバムを生み出した彼らの生半可じゃない覚悟は、とことんMERRYがMERRYらしく在り続けたこのステージから強く伝わってきた。(上野三樹)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。