2日目のGALAXY STAGEのトリを務めたのはACIDMANだった。“最後の国(introduction)”のSEが流れると盛大なクラップに迎えられてメンバーが登場。「こんばんは、ACIDMANです。俺たちでこのステージ最後だから、全て出し切って、みんなで最高の夜にしよう!」と、大木伸夫(Vocal& Guitar)。浦山一悟(Drums)のバスドラが爆音で鳴り響き、佐藤雅俊(Bass)のベースが唸りをあげた“造花が笑う”から、鋭い切れ味のまま“アイソトープ”へ。バンド初期のナンバーが続く。大木のリフだけでワッと大きな歓声が沸いた“FREE STAR”では名もない星の物語を雄大なスケールで。その演奏にはわずか3人で奏でているとは思えない凄まじいエネルギーが滾っていた。

「このフェスが2003年に始まってから、ほとんど出させてもらってます。年末はゆっくり過ごすものだと思ってたけど、このフェスがロックバンド唯一の年末年始の休みを奪ってしまいました。でも最近はこれがないと仕事が終わった気がしません」という大木のMCから名曲“赤橙”へ。オレンジ色の光を浴びて紡ぐ瑞々しいメロディには何度聴いてもグッとくる。続けて、今年発表した最新アルバム『有と無』のナンバーを立て続けに披露。“EDEN”では一悟のドラムが最高の高みへとオーディンスを導くと、“Stay in my hand”では、大木が「みんな手を挙げてくれ!」と叫び、会場をひとつにする。その激しくも壮大なスケール感は間違いなくバンドの進化を物語っていた。

“ある証明”では、解き放たれた爆音のなか、「叫ぶよ! イェェーーーイ!!」と、渾身のボーカル。その全身全霊のアクトを物語るようにMCではハァハァと息を弾ませながら、ゆっくりと語りかけた。「俺たちACIDMANはずっと命をテーマにした歌を歌ってきました。人は誰でも必ず死んでしまう。そんなこと考えたくはないけど、ずっと事実で。その与えられた1分1秒をとにかく本気で生きていく。そこに尽きると思います。そうしたら最後は笑って死ねるかもしれない。もしかしたら死後の世界で満たされるかもしれない。そうやって考えれば世界は変わると思うんです。自分自身が変われば世界が変わる。そういう想いを胸に俺らはずっと音楽をやっていきます」。そう言って、大木が優しくギターを奏でた“世界が終わる夜”は、ACIDMANにしか歌えない命の讃歌だった。三位一体となったメンバーが全身を使って叩きつける長い長いアウトロをオーディエンスはただじっと聴き入っていた。

アンコール。「ありがとう。さっき喋りすぎたので、早めに出てきて、パッと1発やって帰ろうと思います。まだまだいけますか?」(大木)と、“Your Song”を最後に投下。ソリッドな演奏と共に、最高の解放感を湛えたこの曲は、まさに特別な一夜を締めくくるのに相応しい。感動的なフィナーレだった。(秦理絵)





この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
RO69
ロッキング・オン公式 音楽ニュースアプリ
COUNTDOWN JAPAN 14/15 公式アプリ中!
COUNTDOWN JAPAN HISTORY

もっと見る
レポート一覧