目下、アルバム『OPPORTUNITY』を携え、バンド史上最多公演数の全国ツアーを敢行中のThe Mirrazが、年明け早々深夜のGALAXY STAGEを引っ掻き回す。ハットにサングラスの畠山承平(Vo&Gt)が「あけましておめでとう! The Mirrazです!」と挨拶すると、いきなり極限の自問自答“僕らは”でオーディエンスをThe Mirrazの世界に引き摺り込んでしまった。そして中島ケイゾー(Ba)の極太ベース・ラインと佐藤真彦(Gt)による一触即発ギター・フレーズが、表現者としての畠山の爆発力を増幅させる“スーパーフレア”だ。深夜のフロアも負けておらず、まだまだ沸騰ぶりが衰えない。間髪入れずに“check it out ! check it out ! check it out ! check it out !”そして“ふぁっきゅー”と楽曲を繋ぎ、アーティストとしての苦悩もオーディエンスが抱える苦悩も、まとめて燃やし尽くそうとするような展開を見せてくれる。「あけおめことよろ! 次は、そろそろ腹が減ってるんじゃないか?(笑) 今ツアーで“SUSHI A GO! GO! GO!”っていう曲やってるんだけど、知らない奴は《oh! yeah!》のところで思いっきりタオルを投げる! みんなやれよ!」と促して、狂った視界のパーティー空間を生み出してしまうのだった。

「次も新しいアルバムの曲で、“アスファルテームの味がする”っていう曲やるんだけど、マイムマイムとかヒゲダンスとかやらせてるんだ。マイムマイム出来るか? あはははは!」といったふうに、ツアー・モードでCOUNTDOWN JAPANに乗り込んで来たThe Mirrazは通常の数割増しで楽しく、同じ分だけタチが悪い。ナイーヴで傷つき易い、純粋な魂が毎日を戦うために、ロックンロールという闇雲なエネルギーを放つ武器はとても大切な意味を持つのだということを、彼らはこの2015年の始まりにまた教えてくれている。“ラストナンバー”に“観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは”といった、ロマンチックな詩情が焦げ付くようなナンバーを連発すると、終盤も畠山の高速回転ヴォーカルは収まることなく“プロタゴニストの一日は”をまくしたてる。《どうにかこうにか進むんだ》の先にこの2015年があったのだとしたら、ロックンロールのエネルギーはまだまだ必要なのだ。「今ツアーやってるんで、3月1日、新木場STUDIO COASTでライヴやるんだけど、今日楽しいと思った奴は全員来るように!」「今年が最高の1年になるように、この曲を捧げる!」とフロアに注ぎ込まれた“CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい”は、また新しい毎日を越えてゆくための、闇雲なエネルギーに他ならなかった。(小池宏和)




この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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