COSMO STAGEのトリを飾るのは、スガ シカオ。大きな、大きな歓声に応えて、登場するや高く手を上げ、「来年も、ギリギリ生きていくぜ!」と1曲目の“Real Face”の歌詞のフレーズを叫ぶ。ラウドなギターが会場に熱風を送るなか、ステージを右へ、左へと歩きながら、「たくさん集まってくれてありがとう。後ろ、聞えてるか? 盛り上がっていくぜ」とステージ中央のお立ち台に立ち、後ろまで見渡すようにして、そのエネルギッシュな歌声を響かせる。ギター、ベース、ドラム、鍵盤、そしてスガの5人編成のバンドだが、その音の破壊力はとにかく凄まじい。どんどんいくぜ、と肉厚なダンス・ナンバーへと昇華された“19才”で踊らせる。元気に踊り、シンガロングやコール&レスポンスをばっちりときめるオーディエンスに、「さすが幕張、最高の夜になるぜ」と立て続けに“Re:you”で美しく情熱的なヴォーカルを聴かせた。

「俺はこのライヴが仕事納めだから、声が嗄れようが、しょんべん垂れようがお構いなしだぜ」と笑わせながら、今年あった嫌なこと、悲しいこと、全部、俺たちのファンクと一緒においていってくれと、本領発揮の爆裂ファンク・ナンバー“俺たちファンクファイヤー”へ。曲のクライマックスとなるキメのパートでは、いつもは手拍子で締めるが、「今日はハードル上げてジャンプで行くよ。30回で! これ、テレビ映るかもしれないからね」と、フロアを一斉ジャンプさせる。オーディエンスもまた、本日最後のライヴということで、体力全部、使い切る覚悟らしい。

後半は、シルキーな歌声で“奇跡”を、そして“コノユビトマレ”では、ラララの大合唱を指揮する。

「ニュースではCDが売れなくて壊滅状態だとかあるけど、こうやってフェスに出ると、こんなに音楽あるじゃん、どこが死んでるんだよって思うんだよね。今年最後に、みんなにエネルギーをもらえて嬉しいです」。そしてフロアを見渡しながら、「最後にひとつだけ、歌い忘れた歌を」と披露したのが、“Progress”。《あと一歩だけ、前に 進もう》。その言葉を、力強くマイクを掴んで、歌う。ソングライターとして、ヒット曲を飛ばしながらも、つねにチャレンジャーとして新たな音、ロック、ソウルを追い求めてここまで突き進んでいる、飽くことのない彼のピュアな情熱が込められた歌。新しい年を迎えようという、この時にぴったりと寄り添い、沁みる曲だ。

鳴り止まない歓声に「アンコールやっていいの?」と笑顔でステージへと舞い戻ったスガ シカオ。「来年も音楽に正直に――頑張ってレコ大とか、紅白とか、目指していきたいと思います」と言ってフロアを沸かせると、“午後のパレード”で再びステージをきらびやかに彩って、COSMO STAGEを締めくくった。(吉羽 さおり)




この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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