年が明けてからラウド勢の出演が続く、MOON STAGE。THREE LIGHTS DOWN KINGSに続いてのアクトは、新潟出身5ピース・スクリーモ・バンドa crowd of rebellion。先陣を切って登場したのはパワフルなスクリーム・ヴォーカルを聴かせる宮田大作(Vocal)。フロアに向かって「メタール!!」と挑発し、「入ってこい、お前ら」とメンバーを呼び込む。豪快にスクリームをきめると、“This World Is Unreasonable.”でライヴがスタートした。メタリックなリフが冴えまくるヘヴィ・サウンドに、メロディ・パートとスクリームのツイン・ヴォーカルという、盛り上がるツボは押さえつつも、このバンドがさらに際立っているのはメロディ・パートを担う小林亮輔(Vocal & Guitar)の中性的で繊細なハイトーン(一瞬、女性のメンバーがいるのかと思ってしまう)と、中間色というものがない、振り切れた陰と陽のサウンド展開だ。
「次の曲はタオル回すからさ。ブンブン、ブンブン、振り回して、このCOUNTDOWN JAPAN、真夏にしてみませんか」(宮田)。そう言ってはじまった“Sleepless Mantis”は、いったいどこが真夏なんだというくらい暗黒なサウンドで幕を開ける。近藤岳(Drums)と高井佑典(Bass)の重量感のあるリズムに、小林と丸山獏(Guitar)の重いギター・リフ――1ミリも晴れ間は見えないんだが、ここから跳躍なしで、抜けるような爽やかなブルーへと突入してしまう曲。ヘッドバンギングしたかと思えば、次の瞬間には笑顔でぶんぶんタオルを回している、劇的なスイッチングだ。
また、「新年のハイテンションには合わないかと思ったけど、大事な曲」ということで“aquarium”をプレイ。小林のハイトーン・ヴォーカルをとことん活かした、エモーショナルなサウンドをじっくりと聴かせる。
再び、「メタール!! メタル魂」(宮田)とフロアを煽り、「頭振れ!」という怒号でスタートしたラスト曲“O.B.M.A”。これもまた、ガンガンとヘッドバンギングする重戦車サウンドから一転、むちゃくちゃキャッチーで爽やかなサビで、ジャンプしてしまう曲。メタル・ファン、ラウド・ロック・ファンだけじゃなく、フェスのような大きな会場で一体となって盛り上がれること必至の痛快なサウンドで、楽しませてくれる。30分じゃまだまだ、魅力に触ったにすぎないというくらい、ユニークなa crowd of rebellion。3月4日にワーナーミュージック・ジャパンからメジャーデビューすることも発表し、来年はもっと大きなステージに出たいと叫び、初登場の爪痕を残していった。(吉羽 さおり)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。