本日のMOON STAGE、トップバッターは実の兄弟によるふたり組ロックユニット・TarO&JirO。ステージに現れたTarOとJirOはギターを手にして早速スタンバイ。そして、「どうもこんにちは! Are you ready? 1・2・3・4!」という言葉を合図に突入したサウンドが、とんでもなくスリリングであった。アグレッシヴに刻むギター、パンチの利いた歌声、踏みならすキックドラム……たったふたりで生み出す音のパワーがとんでもない。「ふたり軍隊」とでも称したくなる程、圧倒的な威力を持った演奏が、最初の数曲の時点で存分に示されていた。
“Silent Siren”によって、観客の間から湧き起った力強い手拍子。構築されたとびっきり高性能なダンスロックが、フロアをグラグラ揺さぶる。「まだまだ行けますか? 最後まで一緒に楽しもうぜ! 今日は遊びに糞真面目になろうぜ!」、煽りの言葉と共に雪崩れ込んだ“ペロレラ・レボリューション -Pelorella Revolution-”。スピード感に溢れた展開、ギターの激しいスラッピングプレイによって、人々の興奮はますます急上昇していく。フロアのあちらこちらでタオルが勢い良く回転しているのが見える。
“煙”と“落下 -Fallout-”も届けられ、会場内は真夜中のクラブのような艶めかしい昂揚感が広がっている。まだ昼過ぎだというのに……。「改めましてこんにちは。今年、最後のライヴ。プレゼントがあります。普段はふたりでやっているのですが、今日はゲストを迎えてやりたいと思います。来年もありのまま生きていけることを証明するのでよろしく!」という言葉を添え、ラストに披露されたのは“Piranha”。ドラマーを迎え入れた3人編成によるサウンドが、フロアで聴いている我々の身体にズシリと迫って来る。快感! TarO&JirO、あからさまに只者ではなかった。(田中大)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。