スピード狂なうえに、暴走行為も過ぎる。とんでもないところまでオーディエンスを連れていってしまったのが、この4ピース、ヒトリエだ。

挨拶代わりのノイズから、“終着点”でライヴ・バンドらしい鉄壁のアンサンブルを聴かせると、エマージェンシーなサイレンにも似た鮮やかなインパクトを放つギター・イントロの“インパーフェクション”で、オーディエンスに奇天烈なダンスを踊らせる。

ハードコア・キッズらしい暴れっぷりでガンガンと盛り上げるシノダ(Guitar & Chorus)、高いBPMでも的確で切れ味鋭いビートを生みだしていくゆーまお(Drums)、メロディアスでありパーカッシヴな濃い色を持ったベースで歌の背後から援護射撃するイガラシ(Bass)、そして既に「ヒトリエ節」たるオリジナリティを確立しているwowaka(Vocal & Guitar)が紡ぐ起伏に富んだメロディと切迫した感情をぎゅうぎゅうに詰め込んだリリック。どこをとってもクセの強い4人の集まりで、一旦その音が耳に入ったら最後、一日中脳内再生されること間違いなしのキャッチーさで、ヒトリエ中毒を増やしているところだが、メジャー・デビューして約1年、その勢いとライヴ・バンドとしてのパワーはさらに増している。

「1年ぶりのCOUNTDOWN JAPANですが、去年の50倍、いや100倍くらいの人がいます。来年、再来年と、これがさらに100倍になって幕張メッセがぶっ壊れます! その光景が、僕は見たい!!」とシノダ。ステージから、いい光景が見えているんだろう。そして、「もうすぐ、2014年終わりますけどぉ、踊り足りない人、いませんか!」(シノダ)と叫ぶと、“踊るマネキン、唄う阿呆”へ。イガラシの超絶なベースにフロアが沸き、どっかんどっかんと床を振動させていくパワー・ドラムで踊らせると、最狂と言える高速ナンバー“センスレス・ワンダー”を見舞った。踊るにゃ速過ぎるBPMで、ダンスの足が確実にもつれそうな曲だが、そうはいっても体は正直にビートに、キャッチーにアップダウンするメロディに反応してしまう。2014年最後の日、狂気じみたビートでへとへとになるまで歌い踊らせながら、「よいお年を~」とにこやかな表情で去っていったwowaka……いやはや、すごいパワーだ。(吉羽 さおり)




この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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